天井でみかけるあのボツボツの穴の意味は?
Vol. 4,225
おはようございます。
家族の笑顔と絆を結ぶアルチザン
マクス社長の鈴木です。
僕はこんな気持ちで家を作ってます(長いですけど)。
本日は沼津市の注文住宅から
防音室の工事の様子です。
天井に吸音盤が施工されています。
この防音室はピアノがメインの
音楽室です。
音楽室というのは外に音が
漏れないように
防音工事を施すわけですが
防音だけではだめです。
音が反響しすぎるからです。
フラッターエコーといいますが
手を叩くと
「ビーン!ビーン!」
と不快な反響をします。
そこでこの吸音盤の出番。
ただし、吸音しすぎてもダメ。
ここが難しいところで
しかも反響と吸音のバランスは
数値があるわけではなく
「好み」
の部分がとても大きい。
標準的には天井の半分くらいに
吸音盤を施工すると
良いと言われています。
カーペットやカーテンも
吸音しますから
実際に使い始めてからの調整も
場合によっては必要になります。
で、この吸音盤
ボツボツと不規則な穴が
空いています。
学校や役所や病院
スポーツジムや図書館
色々なところで誰でも一度は
目にしていると思います。
もっとも、普段そんなところ
注視しないから
見たことはあっても
記憶に無い方が多いかも。
これは「ダイロートン」という
吸音板ですが
商品名は「トラバーチン」という
吸音盤です。
あえて、板と盤と違うように
書きました。
それはなぜかと言えば…
実は「トラバーチン」というのは
石の名前なんです。
岩盤なので吸音盤と書きました。
トラバーチン(travertine)は
鉱泉質の地下水中の石灰分で出来た
沈殿岩で「多孔質」と「縞模様」
が特徴的な石です。
コケや藻類がコロニーを作り
それがトラバーチンの特徴的な
穴になるんだそうです。
有名なローマのコロッセオや
トレヴィの泉はトラバーチンで
作られています。
アゼルバイジャンとか
中東で産出されるそうで
白~乳白色が多いのですが
レッドトラバーチンと呼ばれる
真っ赤な物もあり
高級な大理石です。
会社にある薪ストーブ周りの
私のモルタル造形コレクション
ここにもトラバーチンがあります。
これね。
モルタルでトラバーチンに似せて
作っています。
トラバーチン特有の穴も
再現しています。
造形は簡単なんですが
縞模様の着彩が面倒なので
お客様のところでは
滅多にやりません。
可愛いでしょ? 笑
で、肝心の吸音板の
トラバーチンですが…
こんな感じで
音を吸収してくれる
ロックウールの板なのです。
結構あちこちで使われているので
今度天井を眺めてみて下さい。
2023年02月08日
Post by 株式会社 macs
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。