小屋裏にみるリノベーションが難しい理由
Vol. 4,207
おはようございます。
家族の笑顔と絆を結ぶアルチザン
マクス社長の鈴木です。
僕はこんな気持ちで家を作ってます(長いですけど)。
本日はお客様へのご報告を兼ねて
「なぜリノベーションが
そんなに難しいのか?」
を現場写真から
ご紹介させていただきます。
これは「小屋裏」とか「屋根裏」
って言いますが潜って写真を
撮った所です。
「太鼓梁」が見えます。
丸太をそのまま使ったり
側面だけ削って梁にしたもので
断面が真四角ではなく
太鼓状なのでそう呼びます。
私がこの仕事を始めた頃の新築
ではまだ太鼓梁を使いましたし
私の自宅では意匠的に太鼓梁を
使っています。
何故か二級建築士の製図試験では
未だに太鼓梁を書いたりしますが
最近では意匠的に見せる以外では
太鼓梁を使うことはありません。
太鼓梁そのものは
別に悪くはないです。
築年数から見れば
工事自体は手抜きとかではない
「当時の普通レベル」
です。
ですがたとえば…
壁の断熱材
入っている所といない所が?
謎ですね。
というかそもそも…
天井はベニア板1枚で無断熱
外気と繋がりますし
ダウンライトの隙間からは
隙間風が入ります。
これじゃぁ寒いはずです。
暖房をしたところで
たいして暖かくなりません。
熱が逃げまくりますから。
それでもまだ…
天井の断熱だけなら
天井が落ちないように補強をして
断熱材を敷き詰めれば
かなり暖かくなります。
壁は…
解体しないと
断熱材入れられませんよね。
リノベーションの問題は
断熱だけ?
いや、むしろ断熱だけなら簡単。
一番難しいのは耐震性。
例えば下の写真。
地震に耐える壁「筋かい」が
釘で固定されているだけ。
しかも釘がズレていて
ほぼ効いていない。
スジカイは
金物でしっかり固定してなければ
地震で簡単に外れてしまいます。
ここまで来ておわかりでしょうか?
マクスのリノベーションの定義は
完成当時より耐震・断熱・耐久性
といった性能を大幅に向上させ
長ーく使える様にする工事。
そうです。
リノベーションは、壁や床や天井
を壊さないと工事できないのです。
ここがお化粧直しのリフォーム
とは違う所。
そのうえで、どう長もちさせるか?
下の画像は床下を覗いて
写真を撮ったところです。
ぱっと見だけでも
シロアリの食害の跡(蟻道)
が見えます。
これらを全て解決して初めて
間取りは?
設備は?
デザインは?
って話になるわけです。
建物の状態によっては
「建て直したほうが早いな…」
となる場合も
往々にしてあるわけですね。
でも、建て替えまでの予算は無い…
となれば、リノベーションでは
「完璧にすることは不可能だから
どこかで割り切って
着地点を見定める必要がある」
わけです。
これは、リノベーションの
一番難しいところです。
うーーーーーーん。
お客様の気持も
すごくよく分かるので…
私もどーにも悩ましくて
なかなか答えが出ません。
2023年01月21日
Post by 株式会社 macs
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。