家の中央に階段があるメリット
Vol. 3,902
おはようございます。
家族の笑顔と絆を結ぶアルチザン
マクス社長の鈴木です。
僕はこんな気持ちで家を作ってます(長いですけど)。
昨日は雨で気温が上がらず寒い一日。
さらに地震で火力発電所が一時運転停止中
のため
「電気が足りない!」
「大規模停電の恐れ!」
ってニュースで何度もやってましたね。
予備率が3%と、もうほぼギリ。
ギリギリを超えたらアウトなんで
ほんと際どい一日だったんでしょうね。
そもそも、こういったインフラや
地震に対する強度などは
「ギリギリ」
っていうのは危険で
「安全率」
ってのを見なければ
それこそ安心安全にはいられません。
建物の耐震性についても同じです。
静岡県では東海地震に備えて
県の指針によって1.2倍の壁の量を
安全率としてみる決まりがあります。
計算時は
「耐震性能のばらつきによる倍率」
と言って品質上のばらつき
(例えば節や割れが材料にあって
計算上の強度を下回る材料があった等)
を考慮し、
ばらつき係数の1.1倍を掛ける決まり
があるので
1.2✕1.1=1.32倍
を地震係数として壁の必要量を計算する
時に乗ずる義務があります。
安全率を見ている、という意味です。
こちらは富士市の新築注文住宅の現場。
土曜日に左官壁の「アラシ」をご紹介しましたが
こんな感じにモルタルが下塗りされています。
この壁は地震に耐える「耐力壁」
であって、その必要量が1.32倍だから
3割増で安全を見ている
って事です。
こちらは内部。
階段です。
この建物はマクスの建物の殆どがそう
であるように
「メーターモジュール」
と言って、柱と柱の間隔が1mごと。
(通常は3尺=91cmごと)
なので階段も182cm→200cmで少し余裕があり、
一般的な階段幅(76cm)より広めの80cm
にしても、まだ少し余裕がある。
その余裕を、今回は本棚にします。
(階段幅を85cmにして棚を無しにする事も)
通常階段は建物の端(外壁側)に
配置することが多いですが、
今回のプランでは建物の中央寄りに
階段がある。
メリットとして、回遊プランが作りやすい
とかですが、上の写真のように
中央に耐力壁を設けることで
耐震的に丈夫にしやすい、ってのも。
雪国では、冬に屋根に雪が乗っている状態で
地震が来た時を基準に耐震性を計算します。
だから雪がない時期はかなり安全率が高い。
静岡はそういうのが、ほぼ無いですから、
「1.3倍だから大丈夫」
じゃなくて、
「1.3倍で構造計算!」
が正解。
大事なのは壁の量だけじゃなく、
・基礎の強度
・床の強度
・屋根の強度
・接合部の強度
・そして全体のバランス
ですから。
今回大停電が起きなかったので
「なんだ、『初の電力逼迫警報』とか言っても
全然平気じゃん…」
となってしまうのが怖い。
人間て、痛い目に合わないと
なかなか行動できない。
けれど、地震で家族を失ってから
「次は家を丈夫に建てよう」
なんて、絶対にナンセンスです!
あたりまえだけど。
2022年03月23日
Post by 株式会社 macs
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。