構造の山辺先生に添削していただく夏休みの宿題
Vol. 3,682
おはようございます。
頑丈であったかい家を作るマクス
社長の鈴木です。
殆どの方は、
本日でお盆休み終了ではないでしょうか?
マクスもそうです。
けれど、子供たちはまだ夏休み。
問題は中学生の娘…。
毎年、夏休み最後の日は、
「はぁ?こんなに宿題残ってるわけ?
終わるわけ無いじゃん!」
という戦争勃発!
が鈴木家の恒例行事。
まぁ、悪いのは仕事にかまけて
ちゃんと見てあげない親の方なんですが…。
昔はあんなに明るい子だったのになぁ…。
今は…
宿題の話をすると睨みつけてくる…(涙)。
娘よ、
宿題というものは、
出しても出さなくてもいいんじゃなぃ。
「出すもの」なんだ。
あ!
自分にも夏休みの宿題あるの忘れてた!
ということで、
お盆休みにやりました。
これ ↓ は以前、
Zoomで通っている有志の設計塾にて、
建築家の藤井章さんに提出したプラン。
プラン(間取り)は「意匠設計」というのですが、
今度はこのプランの「構造設計」をして、
構造の山辺豊彦先生に
添削していただくというもの。
山辺先生は、
木造住宅の構造の大家、エラーぃ先生ですが、
今までにも、実大破壊実験をしたり、
勉強会を開いていただいたりして、
大変にお世話になっております。
うーん、実に豪華な講師陣だこと…。
こんなチャンスをいただいているご縁に感謝!
「構造設計」というのは、超ざっくりと言えば、
・梁の掛け方を設計し、
・梁の一本一本の大きさを決める
というものです。
普段は自分で構造計算ソフトを用いて、
最高等級の耐震等級3
が出るまで(NG箇所が消えるまで)、
許容応力度設計というものをしています。
今回も、そのソフトを使えば、
ある意味「答え」は出るのですが、
あえて、ソフトは使わず、
「経験と勘」
で描いて提出します。
もちろんその理由は、
自分の構造的な「勘」「センス」を磨くため。
「勘」は、とても大事です。
構造計算の前に、意匠設計、つまり間取り
を考えるわけですから、
間取りを考えている段階で、
「構造的に無理のない安定した間取り」
を考えるには、何よりこの「勘」が大事です。
けれどもちろん!
「勘」だけ、じゃぁだめ。
そもそも、日本においては、
「建築物は
地震に安全であるように、構造計算で確かめる」
と、法律で明記されています。
ところが、
「平屋と2階建ての木造住宅は
計算書の提出義務はない」
という、意味不明の【特例】もあります。
これ、なぜかと言えば、
法律の成立ちを見ると分かります。
日本に建築基準法という法律ができたのが、
1950年(昭和25年)。
朝鮮戦争が起きた年ですよ?
私が生まれるさらに20年も前。
今から70年以上前と言うと、
当時の家づくりは…?
ハウスメーカーなどまだない。
まだ、大工が中心になって家を建てていた時代。
そんな時代に、
「今日から構造計算しないと家を建てちゃダメ」
と言ったらどうなります?
バカこくでねぇ!
おらの経験と勘をなめんなよ!
構造計算なんか知らんっ!
ってなりますよね?
そこで、当面の間、
「構造計算の提出義務は免除」
としたわけです。
なんと、
その、
「当面の間」
が、令和のこの時代にも、
生きてるんです。
子供の宿題だって、
提出義務がなければ、やりませんよね?
だから、
木造住宅で構造計算されている建物は
まだまだ少数派。
東海地震がいつ来てもおかしくないというのに、
この問題をこのまま放置していいんでしょうか…?
いいわけがない。
けれど、もしこの【特例】を廃止したら、
建築確認申請が大混乱をきたし、
その年の住宅着工数に深刻な大ダメージが!
という理由で、
国交省は延々と先延ばししています。
【特例】は提出義務免除、
ってだけで、
【構造計算しなくていい】
じゃぁないんです。
【構造計算そのものは、つくり手の義務】
なんです。
娘に言ったことを最後にもう一回。
構造計算というものは、
出しても出さなくてもいいんじゃなぃ。
「出すもの」なんだ。
そして娘よ、
父ちゃんも最終日までやってなかった…
ごめん…。
2021年08月16日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。