新潟出張記 その2
昨日に引き続き、町の工務店ネットの、新潟出張のお話しでございます。
まずは、フラワーホームさんのお仕事。
建築家の半田先生考案の「びおハウスH」です。
半田先生のびおハウスは、コストを抑えて高性能、が最大の特徴。
耐震等級はマクスでも標準にしている、最高等級の3。
ですが、ここは豪雪地帯。
3mも4mも雪が積もるこの地では、温暖な静岡とは比較にならないほど、構造がシビアになります。
雪が屋根に積もっている時に地震が来ると、その重みは、もろに建物を揺する力に変わるからです。
ですので、上の写真のような、スケルトン&インフィルの考え方で内部に壁を作らない構造は、非常に難しくなります。
しかも、吹き抜けあるし…。
この様な、明るく開放的な間取りにするには、やはり、そうとう構造面で苦労されたとのこと。
雪国の生活には欠かせない深い軒を実現するための外部木構造は、やはりブレースだらけ。
うーん、静岡で良かった。
次にご紹介するのは、市場とカフェとレストランが合体したコミュニティースペース「いこて」。
こちらもフラワーホームさんのお仕事ですが、赤と青のご夫婦建築家として有名な、手塚建築研究所の設計です。
手塚貴晴、手塚由比ご夫妻は、情熱大陸やプロフェッショナルでも取り上げられているので、一般の方でもご存じの方が多い超売れっ子建築家。
私も大好きな建築家で(って何の面識もございませんが)、内部の構造とか、興味津々。
「そんなエライ建築家と知り合いなんて良いなぁ?」
と思っていると、驚いたことに、フラワーホームの藤田会長は、何の面識もないのに、合う前から
「手塚さんに頼むことにした!」
と宣言しちゃったそうで(笑)。
いやはや、世間は広い。
世の中には本当に個性的な社長さんがいっぱいいらっしゃいますね。
夕飯はこの「いこて」でいただきました。
とっても美味しかったです。
フラワーホームの皆さま、ありがとうございました。
さてさて、ついでにもう一つ建物をご紹介。
こちらは、長岡市の市役所兼総合交流施設。
設計は、今、オリンピック案で伊東豊雄氏と共に話題の人、隈研吾氏。
この施設は、ナカドマと呼ばれる広い多目的スペース(写真のイルミネーションの下)に面して、なんと市議会やコンビニやイベントスペースがあるという設計。
当然こういった案件は、オリンピック会場同様、コンペですが、コンペ案の選定前に、市議会の委員会が出した「1階を市民利用スペースとし、議場は中高層部に配置する」という提言にも反しているわけで(笑)。
その件に関して、隈氏は、コンペの際に、議会に『喚問』までされて説明をしたそうです。
僕なら完璧にチビリますね…。
隈研吾氏といえば、周囲によく馴染む柔軟な建築を『負ける建築』として提唱しています。
難しすぎて私はよく分かりませんが、
うーん、このディテール。
作業する側から見ると、負けるというか、泣ける(笑)。
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。