経年美
先日、昔から大変お世話になっている、神奈川の会社の社長様のところに行ってきました。
その会社というのは、湘南のハウスメーカーである、株式会社キリガヤさんです。
明治から続く材木店であるのと同時に、住宅部では、湘南の町並みを素敵にする住宅を沢山建てていらっしゃいます。
株式会社キリガヤの桐ヶ谷社長は、かれこれ6年半前、突然お邪魔した、まだ専務だった私に、数時間も時間を割いて、経営者の心構えを説いて下さった恩師であり、私の家づくりの在り方を決定付けた方と言っても過言ではありません。
そんなキリガヤさんの社屋が新築移転され、しかも、照明はマクスでも大変お世話になっている、山中大先生のデザイン。
もう、行かずにはいられません。
やっぱり山中先生の照明は違いますね。
気を付けないと気付かないくらいなのに、何だかとっても落ち着く空間、それが実は照明の演出のお陰、という、スゴさです。
こちらは、吹き抜けの壁面のディスプレイ。
桐ヶ谷社長のアイデアだそうで、何とも素敵です。
今ではもう、ほとんど見る事もなくなったオガ(大鋸)やガガリ(小振りなオガ)。
こういうのって今の若い方が見ても素敵って思うんじゃないでしょうか?
こちらは私の大叔父のガガリ。
またこういう仕事してみたいなぁ…。
ちなみに、木くずを「オガクズ」というのは、オガ(大鋸)のクズ(屑)から来ています。
もひとつちなみに、
こちらは先日、北海道の先輩からいただいた、銘菓「三方六の小割」に付いていたオガです(笑)。
そして、さらに付け加えると、三方六は薪のサイズ。
切り口の一辺が6寸(18cm)の正三角形で三方六。
随分大きな薪ですが、この三方六を一間(1.8m)×二尺(60cm)×五尺(1.5m)に積むと、
一敷という単位になるそうで、一冬三敷が北海道で使う薪の目安だとか…。
話がそれましたので戻しましょう。
六年前、私が桐ヶ谷社長に教えていただいた「経年美」という考え方。
年を経て、汚れてゆく、傷んでゆく、見窄らしくなる…
という「経年変化」ではなく、
年を経る毎に、味わい深く、あたたかみを増し、より魅力的になる…
そんな変化が「経年美」。
「経年美がある家を作る事が、町並みを美しくしてゆく事だ」
そう教わったのでした。
そして、6年ぶりに訪れた、あの時の町並みを一枚だけご紹介。
下が今回の写真なんですけど、ダメだ…、カメラもアングルも季節も天気も違うので、経年美を説明する写真になっていない…(すみません)。
でも、肉眼では、ああ、いい感じになってきたなぁ…としみじみ感じられました。
キリガヤさんに負けないように、マクスでも、これからも頑張って、経年美が素敵なおうちを沢山造って行きたいです。
桐ヶ谷社長、ありがとうございました!
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。