地震で家が倒れる時は柱が引っこ抜けている
大地震が起きると建築の専門家が
建物の倒壊のメカニズムを
必ず調査します。
建物の倒壊の仕方によって
「どうすれば次から倒れないか」
が検討され、それによって
法律が強化されるの繰り返しが
現在の家づくりの基準
になっています。
2024.4.25 Vol. 4,667
おはようございます。
家族の笑顔と絆を結ぶアルチザン
マクス社長の鈴木です。
本日も裾野市の上棟作業から
上棟時だからこそ分かる
大事なポイントをお届けします。
社員大工のショウタが梁を
持っていますが
オスとメスがあって合体する
ような加工がしてあります。
梁と柱にもオスとメスがあり
社員大工のリュウセイが
叩き込んでいます。
けっこう力がいるし
一度叩き込むと抜こうとしても
かなりの力を入れないと
抜けません。
が! 地震の力は当然
そんなもんじゃぁありません
梁と梁は現場監督の城内が
持っている金物で固定しますが
柱と梁は、地震が来ても
『引っこ抜けないように』
引抜防止金物で固定します。
例えばこの2本の柱
右には「SH すじかいW」
左には「CC すじかいW」
とマジックで書いてあります。
スジカイはおいといて
SHはスリムヘビーという金物
この金物がそうで
引張耐力は10.7kN
とカタログにあるので
ざっくりしたイメージで
1,091kgの力で引っ張っても
柱は抜けない。
CCはコンパクトコーナー
という名前の金物
だいぶコンパクトですね。
6.4kNとあるから653kgの力でも
引っこ抜けないとなっている。
値はイメージでお考え下さい。
物理的に正しく書こうとすると
話が複雑すぎるので。
どの金物を選ぶかは設計者の判断
ですが、どの柱の根元に
もしくは柱の先端に
どれくらいの引き抜き力が
働くかを計算で求めて
その力に耐えられる金物を
選択するのが構造計算です。
(計算の一部に金物がある)
すべての柱の上下にどの金物を
付けるのかは全て計算済みなので
2Fは先輩の城内監督に託され
現場監督のミサキが金物種類の
指示を書き入れています。
先程のSHやCCより
もっと力がかかる部分は
20Kや30Kとあり、黄色の通り
金物の長さも違うのが
お分かりいただけると思います。
基礎工事の段階の同じ部分を
見てみると
「ホールダウン金物」と言って
傘の柄のような太い金属の棒が
基礎の中に埋め込まれているのが
見て取れます。
これが、先程の土台から出ている
2本の金物で、それを柱と
繋げてしっかり固定しています。
20Kとあるのは約2.1トンの力
25Kとあるのは約3トン近い
引き抜き力がかかっても大丈夫
な金物、ということになってます。
「トン」て…
そんな力がかかるの?
思うかも知れませんが
このホールダウン金物が
熊本地震の時にちぎれたという
信じがたいケースも起きました。
(当然その家は倒壊)
どの柱の上下に
どの金物をつければ安心か?
早見表みたいなもので
大雑把には拾えますが
正確には「構造計算」を
しなければ出てきません。
木造住宅でも
構造計算は「必須」ですね。
家族の命を守れるのは
営業トークではなく構造計算です。
最後に、明日は月に2回の
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です。
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今回は「準防火地域って何?」
を学びましょう!
2024年04月25日
Post by 株式会社 macs
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。