この大工の仕事の難しさ、分かりますか?
Vol. 3,781
おはようございます。
頑丈な高断熱住宅を作るマクス
社長の鈴木です。
「何か、変なんです。見ていただけませんか?」
以前すごくお世話になったお客様から
久しぶりの電話は、何やら不安げ…。
さっそく、
「現場の帰りに見てきて」
と社員大工の宮崎に伝えると、LINEが…
ん?
んんーっ!?
ナンジャコリャ???
玄関ポーチの柱の根元が、グニュってしてる。
柱の根元に銅板が巻いてあり
中身の柱の根元が腐って
屋根の荷重に耐えきれずにグニュ。
ってのは見ればわかるのですが…
なんでこんなことになるの???
ということ。
というわけで…
さっそく社員大工の宮崎が柱の交換工事。
一本は交換済み(奥)。
もう一本に取り掛かるところです。
上の写真の手前の柱
指差す部分は、銅板を剥がした所。
グズグズに腐ってるwww
つっかえ棒をして
柱をちょん切って引っ張ると、
ん?
沓石(くついし:指差す所)が
柱にくっついて抜けてくるぞ…?
WHY???
うげ…
実は、沓石ではなかった。
走り書きですけど、こういうこと。
沓石(右)かと思ったら、そうじゃなかった。
金物なら、左のようになっているはずだけど…。
金物はコンクリートの中に埋まっていた。
柱もコンクリートの中に埋まっていたので
雨が抜けようがなく…。
これじゃぁ腐って下さいと言っているようなもの。
でも、
間違えたのか? なにかのミスか?
それを何十年もたった今、
言っても仕方がないこと。
もしかしたら
当時深ぁーい理由があったかも知れないし、
当時を知らない第三者が
「欠陥だ!クレームだ!」
とか言うのは無責任。
ここは、次に腐らないようにするのみです。
だから視点を変えて
柱の上の方を見てみましょう。
こちら、
これ、分かります?
もんのすごい、難しいんですよ?
四角い梁を、四角い柱で受ける(左)
のと、
丸い梁を、丸い柱で受ける(右)。
梁を透明にして、スポッと引っこ抜きました。
四角い梁を、四角い柱で受ける
のと、
丸い梁を、丸い柱で受ける(右)。
どや!(笑)
ピタっとくっつけるの、
えげつないほど難しいの分かりますか?
もう一回見ると、
見事にピタッとくっついてますね。
大工用語で
「光らせる」
と言います。
これ、大工ならだれでも出来る
ってほど簡単な技術ではございません。
こういう仕事ができる大工、
もう絶滅危惧種です。
マクスには、
まだこういう仕事ができる社員大工がいます。
それが一番の強み。
若い社員大工たちのこの様な技術を伝承させる
それは私の仕事。
「教えときなさい!」
と命ずる。
だって…理屈は知っていても、
私は出来ませんからね…。
素材の選び方教室のお話も
私はこんなに上手に喋れませんので。
面白いですよ。ぜひ。
2021年11月27日
Post by 株式会社 macs
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。