東海地震は予知できる?
本日より季節は変わり、大暑の末候で【大雨時行:たいうときどきふる】。
静岡は、今年は本当に雨ばかりの梅雨でしたが、梅雨明け後も雨が多いですね。
何でもかんでも「異常気象」としてすませるのはいかがなものかと思いますが、「異常」の最たるものは地震です。
先日、富士宮市役所で行われた、富士宮市民カレッジに参加して、その地震のお勉強をしてきました。
講師は東海大学海洋学部海洋地球科学科の馬塲久紀准教授で、
「地震列島日本! 大地震に備える知識」
と題した公演でした。
そもそも、地震はなぜ起きる?
はし、これは大人なら誰でも知ってますね。
プレートが動き、歪がたまり、その歪がもとに戻ろうとする現象、これが地震です。
これは気象庁HPから。
過去の地震は、ほとんどがプレート境界で起きており、プレートが入り乱れる日本では、世界の地震の1割が集中するのだそうです。
日本は、地震が起こらないところなど、無い、わけですね。
特に私達が住む静岡県、フィリピン海プレート、北アメリカプレート、ユーラシアプレートの交差点。
そこに太平洋プレートに載ってはるばるハワイからやって来た伊豆半島がぶつかり、駿河湾が出来ています。
こちらは海上保安庁のHPから、駿河湾の海底地図。
いわゆる駿河湾トラフがよく見えます。
もーですね、ここで地震起きないほうがおかしいってくらい、バカでかい断層が海の中にあるわけです。
プレートは、年間に、1~10cm動いているそうで、日本周辺のプレートは、年間6cm。
私、49歳ですから、生まれてから、3mくらい、動いてるわけですね…。
静岡県で生まれた私は、小学校の時から、
「東海地震はいつ来てもおかしくない!」
そう先生に言われ続け、毎年避難訓練をしてきました。
が、あれから40年。
地震、おきない…。
ただしこれは、その分、エネルギーが蓄積されているだけで、プレートの動いた量と歪(つまり、累積歪量)から、地震が起こったときの規模、つまりマグニチュードがある程度計算できるのだそうで、東海地震の想定は、マグニチュード8です。
最悪のケースですが、南海トラフと連動して起こった場合(いわゆる東南海巨大地震)マグニチュードは9。
千年に一度と言われた東日本大震災を起こした地震と同じ規模です。
ちなみに、マグニチュードが1違うと、地震の規模は約32倍になります。
ひえぇぇぇ…だめだぁ…
なのか???
私は、今回の講義を通して、
「いや、逆だな…」
と思ったのでした。
何が逆???
ここ十数年、震度6以上の地震は、日本各地で半年に一回ペースで起きているわけです。
そう、先程も書きましたが、日本は、地震が起きない場所など無い、と言えます。
なにせ、プレートの交差点ですから。
ですが、東海地震は、
【世界で唯一】、
【国家規模で】、
【税金を投じて】、
【地震予知が試みられている】、
【起きる前から『東海地震』と名前がついている】、
特殊な地震なのです。
国家規模で予知が試みられているというのは、【法律】で定められているということです。
大規模地震対策特別措置法(だいきぼじしんたいさくとくべつそちほう)、
略して大震法。
大規模な地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護するため、地震防災対策強化地域(私達の住む静岡県ですね)の指定、地震観測体制の整備、その他地震防災体制の整備と応急対策等を定めています。
この法律によって、
もし、
【今までにない「異常」なデータが確認された】
となると、
【地震が、発生するかもしれない!】
と発表され、
・新幹線や東海道線の規制、高速道路の閉鎖
・金融機関やデパートの営業停止
・病院の外来診療の中止
と言った措置が、法律に則り、内閣総理大臣から警戒宣言が発令されます。
おそらく、パニックになるでしょうね。
携帯は繋がりにくくなりますし、産業的損失は、一日あたり7,000億円とも言われているそうです。
それが何日も続いたら…?
そして、私が一番怖いなと思ったのは、もしも、オリンピックの直前とか期間中に、「異常」が発生したら???
本当に警戒宣言発令するのだろうか?
異常を察知していて、それを秘密にしていて、本当に東海地震が来たら、かつて無い国際問題にもなるでしょう。
かと言って、異常を察知したからといって、直ちにオリンピックを中止に出来る???
きっとその経済損失は、何十兆円とか、想像もつかない額になるでしょう…。
こういった恐ろしい未来に目を背けず、想像してみること。
それが大事、なんでしょうね。
東海地震に関しては、地震予知は、まだ失敗もしていませんが、経験もしていない、わけです。
文:鈴木克彦
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