Fair
先日のこと。
とある方からお仕事のご紹介をいただきました。
ご依頼の内容は…
・知り合いが某建設会社で増築の話を進めている
・数坪の増築なのに、一千万以上で高すぎると思う
・もっと安くできる所を紹介すると言ったら、是非にとのこと
工事をなさる先方様からも、弊社に連絡があり、
「図面があるのでそれを見積もりしてもらえませんか?」
とのことでした。
そこで、弊社監督が先方にお邪魔してお話を伺ったところ、
・図面はかなり詳細に完成していた
・地盤調査を含め、かなり綿密な事前調査も行われていた
・見積も見たところ、少々高いかなという感触はあったものの高すぎではない
さて、あなたが伺った営業マンだったら、何と言いますか?
反対に、もしあなたが工事をする当事者(施主)だったら、何と言って欲しいですか?
もし、「仕事を“とる”」のが目的なら(ま、営業の仕事と割り切れば)、
「うーん、やっぱりちょっと高すぎですね。
弊社なら5?10%くらいはお安く工事出来ますけど…」
こう言えば、おそらく労せずして一千万クラスの工事が受注出来そうですね。
工事を依頼する側の立場だったら、一万でも二万でも安くする方法はないか…と、図面や見積書を見て毎晩頭を悩ませていたのに、いきなり100万近くコストダウン!
いかがでしょうか…?
実際、おそらく毎日のようにその辺で起こっている風景です。
でも、やっぱりフェアじゃない。
目に見えないだけで、つまり金額として計上しないだけで、調査・打合せ・プランニング・図面の作製・見積…これらの仕事には、既に数十万円も掛かっています。
だから、それをやらなくて良いのだから、それを元にすれば後から来た業者は安くできるのは当たり前。
最初の業者は、受注して工事を完成させて初めて、利益の中から目に見えない経費を改修出来るわけです。
「余所の会社の見積をお持ち下さい。それより安く工事します!」
と、恥も外聞もなく、声高らかに宣伝しているのを見ることがありますが、そうまでして安いのと、いい仕事をするかどうか、は別。
さて、弊社現場監督が打合せから帰ってきて報告を受けました。
「『これ位はかかると思いますよ。どうしてもと仰るならお見積しますけど…』 ってお伝えしたら、
『急ぐのでいいです。来てもらったのにすみませんでした』 となりました」
妥当だと思います。
「そんな甘っちょろいこと言ってたら生き残れねーんだよ!」
って言われるかもしれませんけど、
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。