シックイ下地のモルタルの下地
マクスのモデルハウス『冨嶽町家(ふがくまちや)』からでございます。
自然室温で暮らせることを目指す『びおハウス』です。
今週は、モデルハウスの手仕事シリーズ。
本日の手仕事マクスは、左官工事の様子を、ご紹介させていただこうかと思います。
昨日ご紹介した木の外壁に加え、外壁はシックイ仕上げもマクスの定番。
ただ、このシックイ(漆喰)、実際に仕上げるまでは、幾つもの下地行程があるのでございます。
まずは、大工が作った、木摺りとかアラシとか呼ぶ下地に、黒い防水紙を施工してゆきます。
木摺りの後ろを空気が通るようになっているのがお分かりでしょうか?
赤で空気の流れを表現してみました。下から入って上に登っています。
そして、一番上に来ると、この様な金属製の金物の穴から抜ける寸法です。
これを通気工法と言います。
壁内の余分な水蒸気を排出し、結露を防ぎ、躯体の耐久性を担保します。
通気工法は、ただ空気層を作ればいいと言うわけではなく、
「どこから入ってどこに抜けるのか」
を、全ての職人と監督が意志共有していないと、途中で空気がストップしてしまいます。
上の写真では、青い矢印の部分が左官の壁になります。
そこまでの道のりは遠い!
で、話を戻して、まずは防水紙。
窓を壁の中間に施工してあるので、壁に凹凸が多く、左官職人にとってはほとんど拷問です(笑)。
黒い防水紙に、白いチョークで目印を付け、
メタルラスという金属の網を、タッカー(建築用のホッチキスのお化け)で張ってゆきます。
このメタルラスにも、平らな平ラスと、この様な立体的な波ラスがあります。
当然、波ラスの方が下地モルタルの食いつきが良いのですが、何百円か平米単価が高いのです。
今は基本は波ラス、と施工要領はなっていますが、普及率は半分以下とのこと。
検査もないのでお施主様は分からないところ。
この様な積み重ねが、積算されて、建物金額となります。
「坪単価いくら?」だけでは、絶対の絶対に分からないところです。
2016年05月18日
Post by 株式会社 macs
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。