すごい防音工事
マクスでは、こっそりと(?)こんな工事もしております。
とある新築現場。
その現場の一室のみの工事を請け負い、マクスで工事させていただいているのは、音楽スタジオの防音工事です。
通常、工務店でもハウスメーカーでも、ホームシアターやピアノ室など、防音工事というと、建材メーカーの大建工業などの仕様によって工事されるのが一般的です。
ですがこちらの現場では、音響・防音の専門の設計事務所の設計で、特殊な工法によって工事がなされています。
「へぇ?っ!」、「ほぉ?っ!」、と言うノウハウ満載の工事。
ですが、その工法は上記の設計事務所のものですので、詳細は割愛。
写真では、狭い部屋に随分人が居る様に見えると思いますが、昨今の消費税の駆け込みによる、全国的な職人不足もあり、どうにもこうにも手が足りない、ということで、実は、スタッフ総出の超突貫工事なのでした。
しかし、やっつけ仕事でハィ完成!というわけにはもちろんいきません。
何故かと言えば、『設計通りの遮音性能が出ているか?』をちゃんと測定し、それに合格しなければ、壊して作り直しという、それはそれは恐ろしい事になるのです。
で、先日その検査を受けて参りました。
その様子を20秒の短い動画にしましたが、とんでもない音が出ますのでご注意下さい!
携帯で撮影した動画なので、本当の音の凄さは伝わりませんが、120デシベルで6オクターブの試験音を出しています。
120デシベルというと、飛行機のエンジンの爆音を、すぐ近くで聞いている位の音、と言います。
音楽で言うと、ゴリゴリのパンク・ヘビメタのMAXの音くらいだそうです。
実際、「何事も経験」「何事もブログネタ」と、この音を出している部屋の中にいたのですが、
『人間は、音で泣きそうになる』
と言う事が分かりました。
これはもう立派な「兵器」です。
検査の結果、この音楽室の入口ドア付近で【D55】、音楽室の外壁の外側で【D70】という遮音性のが得られました。
D70というのは、騒音を70デシベル遮断するという事です。
ですから、室内で120デシベルでガンガンのヘビメタをやっても、建物の外には
120?70=50デシベル
しか漏れないという事になります。
40デシベルが畳のすり足、50デシベルが静かな事務所(うちの会社ではないな…)、60デシベルがテレビや人間の普通の会話、と言ったレベルで、
通常、室内での許容騒音レベルは、
30?39デシベルが「非常に静か」
40?49デシベルが「特に気にならない」
50?59デシベルが「騒音を感じる」
と、こんな具合に言われていますので、かなりの遮音性能だと思います。
実際、まだ工事のこの段階では遮音が出来ているだけで、室内では音が反射しまくり。
この試験後、今度は吸音の工事をして初めて工事完了ですが、検査していただいた設計事務所の方曰く、
「夜中に音楽を楽しんでも絶対に苦情が来ないレベルです」
とのことでした。
音は重低音ほどパワーがあって伝わりやすいので、夜中にドラムをガンガンやるとかでないかぎり、問題ないそうです。
どんな音をどの時間に出すから、どの程度の遮音性能が必要なのか、それによってどのレベルまで工事するのか、と言う緻密な計算に基づいているそうです。
なるほど、餅は餅屋ですね。
「カタログベースで防音室を作ったけど、施主からのクレームで何とかして欲しい…」
という建築のプロからの依頼で、それを壊して工事をし直した、そんね経験も多数有るそうです。
耐震や断熱もそうですが、音響も、イメージで語っては行けませんね。
About Me

生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。