諏訪神社 東京都大田区
会社にかかってくる電話は、日中はお客様ですが、夜間や休日となると、その多くが怪しげな営業電話となります。
社長しか電話に出ないタイミングを狙ってるんでしょうね。
ですから、
「社長居ます?」
と言われても、本人の私が、「居ません」「何処に行ったか謎です」「いつ戻ってくるのかも分かりません」と返答しております。
あー煩わしい…。
とある日曜日、お客様と打合せ中に一本の電話が…。
スタッフが誰も居ないし、お客様からの緊急な電話だと困るので、お断りして電話に出ると、
「鈴木多吉さんの曾孫の鈴木社長さんはいらっしゃいますか?」
とのこと。
???
え?営業電話…じゃないな…(汗)。
お話を聞いてみると、東京の大森諏訪神社の氏子さんで、神社の社史をまとめるためにいろいろ調べていた所、彫刻や木札から名前が出てきて、その名前を検索してマクスにたどり着いたので電話をしていらしたとのことでした。
最初は私も半信半疑だったのですが、その後のやりとりをする中で、曽祖父の多吉と、娘婿の伊藤高芳(彫刻家)、そして高芳の長男の誓司の名もあることから、神社の建築工事と彫刻の一切を請け負ったのが事実と判明。
出張の空き時間に、見学に行ってまいりました。
東京都大田区大森にある諏訪神社。
おお?。
立派な唐破風です。
正面の梁(神社のは紅梁と言います)には、見事な龍が。
その裏に、伊藤高芳と伊藤誓司の銘が彫ってありました。
伊藤高芳は彫刻家で、私の曾祖父さんの娘婿、なので、私の爺さんの義理の兄、となります。
誓司は高芳の長男で、社寺建築の会社をやっていました。
神社に特徴的な正面の紅梁にかかる曲がった梁を、海老紅梁と言います。
実に立体的で勇壮な龍です。
升組の下の木鼻という部分。
象や獏が多いですが、これは獅子ですね。
脇障子の彫刻も、実に立派です。
神社は今、参拝が沢山あるような大きな神社は別として、地域で親しまれてきた神社は、補修の予算もなく、痛みもひどく…というところばかりです。
ですが、こちらの諏訪神社の手入れの行き届いていること…。
お話を伺ったのですが、宮司さんもおらずに、氏子さんたちだけで、懸命に守り続けておられるとのこと。
ご先祖の仕事が、こうして地域の皆様に大切にしていただいていることを知り、感動いたしました。
宮大工だった曾祖父さんの多吉とその娘婿の伊藤高芳の仕事は富士・富士宮市にも残っておりますが、いやはや、まさか遠く離れた東京で、先祖の仕事にお目にかかろうとは…。
立派な仕事って、こうして時を越えて大切にされるんだなぁ?としみじみ。
本当に嬉しい体験でした。
完成した社史を送ってくださいました鳴島様、急な訪問なのに快く案内をしていただきまして、本当にありがとうございました。
よーし、私ももっともっと精進せねば!
本日もCMです。「だれか、私と一緒に精進してくれる人??」
About Me
生存確率50%の超未熟児だった娘が退院して家族がそろった夜に涙してから 家は家族の絆を育む場所だと気付く。地元で百年。これからも社員大工たちと共に創りあげ 家族の笑顔と絆を一生涯守ってゆくのが私の使命。