タチウオの刺身
本日から二十四節気は寒露。
寒露とは、草に付く冷たい露のこと。
うん、たしかに朝晩はかなり肌寒くなりましたものね。
本日の七十二候は寒露の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」。
雁(がん・かり)はカモ科の冬に飛来する渡り鳥で、数が減り現在は保護鳥だそうです。
富士市には「雁堤(かりがねづつみ)」という江戸時代に出来た富士川の堤防がありますが、この名前の由来は、雁がV字に群れをなして飛ぶ姿から来ています。
富士市の小学生は全員習います(笑)。
さて、そんな雁がやってくる季節のネタとして、本日は全く雁と関係のない「タチウオ」です。すみません(笑)。
塩焼きで、誰もが一度は食べたことがある魚だと思いますが、海釣りを趣味にしている人でないかぎり、「釣ったことがある魚ではない」と思います。
そればかりか、「え?あの魚が釣れるの?」という方も多いかもしれません。
というわけで、息子と遊漁船に乗り、深夜のタチウオ釣りに行ってきました。
場所は、沼津市静浦から午後23時に出港です。
釣り人は、釣った魚を「何cmのが釣れた」というように体長では呼ばず、「4本サイズが釣れた」などと言います。
これは、タチウオに手をあてがった時に、釣り人の指何本分の体高があるかを言います。
中には指5本を並べたくらいの太いタチウオが釣れることがあり、釣り人は、これを憧れと畏怖の念?を込めて「ドラゴン」と呼びます。
ドラゴンと言う名前のごとく、非常に鋭い牙を持っており、釣った魚に食いつかれると大怪我をすることがあります。
タチウオには、尾びれがありません。
腹びれ・臀びれも無く、尾はそのまま細くなっているので、全体的に尖っています。
そしてご存知のように体はギンギラギン。
その姿が「太刀(たち)」のようだ、からタチウオと呼ばれますが、「立泳ぎ」をしているからタチウオと呼ばれるようになった、という説もあります。
体表には鱗がなく、ツルッとしていて、全身がギンギラギン。
あの銀色は、グアニン質と言い、サンマの銀色と同じ。
このグアニン層から採った銀粉は、かつては模造真珠やマニキュアに入れるラメの原料にも使われていたそうです。
この日は前日に降った雨が影響してか、非常に喰いが渋く、餌のサンマの切り身になかなか食いついてくれません。
釣れたのも、指二本~三本のチビサイズばかり。
結局息子と二人で小さなタチウオ8本のみ。
しかも、息子が6本(涙)。
しかし!
さばくのは断然私のほうが上手です(負け惜しみ)。
中3の息子に、捌き方を教えています。
まな板は、大物が釣れた時用の特製マイまな板(ヒノキ製・自作)。
タチウオのように長い魚にも便利です。
これくらいのサイズだと、焼いても身が殆ど無いので、お刺身でいただきます。
新鮮なお刺身が食べられるのは、釣り人の特権です。
ただし!
釣りをしない方、特に、ご主人が釣り好きだけど、奥様が釣りをしない方、間違っても旦那さんに、
「買った方が安いね」
これ言っちゃダメです。禁句です。NGワードです。本気で傷付きますから。
私の釣ったタチウオなんて、計算すると1尾4,000円ですからね。
どんだけだよーwww!
という魂の叫びは置いといて、魚雑学。
魚はすごくバラエティーに富んでいまして、形や大きさだけでなく、骨の仕組みもけっこう違っていたりします。
背骨と腹骨は、誰でも分かると思いますが、魚が泳いでいる状態で、背骨から、上下に出ているのが中骨、そして、左右、つまり横に出ている骨を椎体骨(ついたいこつ)と言います。
一緒に釣れた鯖で見てみると、下半身の指差す部分、ここに、椎体骨(英語ではピンボーン)があり、ピンセットなどで抜いてあげるか、周りの肉と一緒に切り捨てます(それが3枚におろした骨の上に置いた、2つに分かれている柵)。
サケの仲間は、この椎体骨の他に、神経骨というピンボーンが、背骨から斜め上に伸びています。
なので、お刺身にするのが大変。
ところが、タチウオは、ピンボーンが全くなく(椎体骨も神経骨も無い)、背骨・中骨・腹骨を取ると、もう骨がなくなります。
こんな形なのに、実はお刺身向きの体です(笑)。
はぃ、さばき終わりました。
さばき方は、検索すると動画がたくさん出てきますのでそちらに任せましょう(笑)。
今回は、タチウオが小さかったので、表面の皮を取ると身がどんどん小さくなるので、皮を軽くバナーで炙った後に氷で締め、糸作り(細作り:身と同じくらいの幅で薄く切る)にしました。
タチウオって、淡白な魚のイメージだと思いますが、お刺身は、めちゃめちゃ脂が乗っていて、深ぁ~ぃ味わい。
とっても美味しいです。
醤油と味醂と生姜で漬けてから、お茶漬けにしても、スーパー美味です。
お刺身用のタチウオを見つけたら、是非挑戦してみてくださいね。
文:鈴木
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住まいマガジン「びお」の、静岡地方版ざます。
工務店のマクスから、家づくりの情報とは違った切り口で、「住まいと暮らしの視点」からローカルで旬な話題を発信してゆこうと思っておりますワン。
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