- 2011.06.09 木曜日
- 富士宮市で進行中の長期優良住宅先導事業の家です。
次世代パッシブソーラーそよ風も搭載です。
今週末構造見学会なので、本日は見所として、このお宅の白蟻対策をご紹介致します。
以前基礎のご紹介の際に、
【ベタ基礎の下の防蟻シート】
と
【打ち継ぎのない一体打設ベタ基礎】
の回にも、
本ブログで白蟻対策をご紹介して参りました。
これに加えて、外周部は小さな下地材に至るまで、シロアリに強い桧を使う事で、法的にはシロアリ対策、つまり、薬剤による白蟻消毒をしなくても良いのですが、さらに・さらに、万々が一に備えて、二重、三重、四重の対策を取ります。
それが、以前にもご紹介しました、無臭かつ人には安全な防蟻剤『エコボロンPRO』です。
と、施工風景なのですが…
あれっ?
普通の白蟻消毒と、ちょっと様子が違うのがお分かりいただけますか?
これではどうでしょうか?
そう、ここは二階なのです。
普通、新築のシロアリ消毒と言えば、防毒マスクとゴム手袋をつけた職人が、地面から1mの範囲に薬を散布している姿を想像します。
(マスクも手袋も無しで、ビショビショになりながら頑張っているのは私だったりします…笑)
このお宅では、それら一般的な施工範囲はもちろん、一階、二階、そして、
妻面(屋根の下の△の壁の部分)、
小屋裏まで、防蟻処理を施しています。
何故?
それは、『アメリカカンザイシロアリ』対策です。
本来、私たちの静岡では、ほぼ「ヤマトシロアリ」というシロアリしか居ませんでした。
しかし、流通事情の変化(に加え気候の変化も?)により、西日本が勢力の、より大型で食害の被害が深刻な「イエシロアリ」の被害報告が、静岡でもしばしば聞かれるようになってきました。
近年さらに、この「アメリカカンザイシロアリ」の危険性が注目され始めました。
カンザイシロアリとは、漢字で乾材白蟻、つまり、「シロアリは湿った木材しか食べない」という常識が通じない、乾いた木材もバリバリ食べる、気合いの入った大型のシロアリです。
困った事に、彼らはヤマトシロアリやイエシロアリと違い、土の中に巣を作り、巣からせっせと蟻道を作ってやってくるのではなく、小屋裏などに飛来して、木材の中に巣を作ってしまいます。
そうなると、非常に駆除が困難です。
家ごとビニールでラッピングし、家全体を燻蒸処理するという荒技で処理される事もあるそうですが、近所からクレームは来るだろうし、そもそもそんな殺虫剤漬けの家には、その後数年は住めないでしょう。
誤解がないように書きますが、カンザイシロアリの食害は、マスコミや白蟻駆除会社が不安を煽っている面があるように思います。
未だその被害は在来種のシロアリに比べるとごく僅かです。
ただ、ブラックバスやブルーギル、蛍や野草など、気が付くと外来種が爆発的に増えていた、と言う例は、枚挙にいとまがありません。
昨今の外国産木材や家具の輸入事情を踏まえると、用心に超した事はないと思うわけです。
ちなみに、カンザイシロアリの本場のアメリカやオーストラリアでは、高い安全性から、ホウ酸処理への切り替えがかなり進んでおります。
シロアリが活発なハワイ州では、ホウ酸処理木材のシェアは90%以上で、構造材が丸ごと処理されています。
そんな事が出来るのも、安全性が高いからなのは言うまでもありません。
新築時に一度施工すれば、有効成分のホウ酸塩は、分解されずにその場に半永久的に残りますので、5年毎の再消毒も必要なく、今回ご紹介したアメリカカンザイシロアリや、ヒラタキクイムシ(ラワン虫)等の食害虫から、家を守る事が出来ます。
これで安心!
そんな安心の現場を、是非構造見学会で確かめて下さい。
↓
【空のリビングの家】11(土) 12(日) 構造見学会のお知らせ
動画もどうぞ。
- ホウ酸でシロアリを防ぐ | comments (0) | trackbacks (0)
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