- 2010.12.07 火曜日
- 先週、会社のお社の上屋工事に中学生が職業体験に来てくれたことをご紹介しました。
その工事がまだ続いておりますので、ちょっとご紹介させていただきます。
神社仏閣建築では、住宅の屋根と異なり、構造的には無意味なのですが、意匠的に“微妙”な厚みを付けたり、“微妙”なそりを付けたりします。
屋根が膨らんでいるつまり凸になっているのが「むくり」、
反対に、凹にそっているのが「てり」、
と言います。
「てり」は、お城の天守を思い出せば直ぐ分かりますね。
「むくり」は、一般住宅でも入母屋作りの純和風建築では今もよく見られます。
一番上の木(この部分は後で銅板を巻くのですが)が、“微妙”に「むくって」いるのがお分かりでしょうか?
これが「むくり」です。
どんな建物で、どんな大きさの時、どんな勾配の時、どんな高さの時、
どれくらい「むくらせる」か。
この加減が実に“微妙”で、それは長年のカンとセンスによるものが大きいです。
京都など、美しい洗練された町並みで見かける、「むくり」の屋根は、軒高を抑え、実に“微妙”なむくり加減で、非常に美しく感じます。
反対に、ここ富士市大淵には、「天井が高い=贅沢」と勘違いしているのか、これでもかと軒高を高くし、どうだ!と言わんばかりにむくらせてある入母屋の家をよく見かけます。
田舎だなぁ…と感じます(笑)。
それはさておき、
大村大工が“微妙”な「むくり」屋根を軽快に仕上げていきます。
大村大工は、もうリタイアした宮大工ですが、実は私の大叔父で、会社のお社も作ってもらったので、無理矢理引っ張り出してきて仕事してもらっています(笑)。
腕は衰えてません。
こちらは、会社のお社を作ったときの写真。
日付を見ると、二十年近く前に作ってます。
雨ざらしだったのにこのお社はまだまだ何ともありません。
ローコスト住宅より堅牢です(笑)。
こういった大工の技術は伝承して行きたいものです。
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