- 2010.11.08 月曜日
- 先月末、町の工務店ネットの仲間工務店の、滋賀の山手工房さんを訪ねました。
滋賀県も広いですが、お邪魔したのは、ほとんど京都の隣。
そんな土地柄か、はたまた社長の山口さんが京都出身だからか、建築に対しても“美”という意識が高い工務店で、そんな意識や技術を盗みに(?)行こう!
と、社員大工の丸山と私の、富士の田舎者コンビ(笑)で行ってきました。
現場では唸るものがあり、とても勉強になりました。
「大津市で新築をお考えの皆さ〜ん、山手工房さん、要チェックですよ〜!」
現場見学後、深夜まで、祇園にて真面目(?)な懇親会をしていただいたため、私たち二人して二日酔いでしたが、折角京都に来たのだからと、朝からミニ建物探訪に出発しました。
有名観光コースも立ち寄りましたが、そこは大工と二人、あの納まりはどーだ、この見付はあーだ、その材料はこーだ、一般の観光客とは違うところばかり見てまして、毎回のことですが、帰ってきて写真を見ると、一般受けしない写真ばかり…。
ま、私が今更京都のことをブログに書かなくても…
ということで、今回一番印象に残った建物を一つだけ。
二人して、「なんじゃありゃ?」
と思った建物。
恥ずかしながら二人とも知らなかったのですが、帰ってきて調べると、大雲院祇園閣なる建物です。
軍事の仕事を独占し、死の商人とも呼ばれた大倉財閥の創始者大倉喜八郎、
晩年は慈善活動にも精力的で、渋沢栄一らと共に、鹿鳴館、帝国ホテル、帝国劇場などを設立、また、ホテルオークラも設立しましたが、
「金閣・銀閣があるんだから、銅閣も作ろう!」
と言って作らせたのが、この塔らしいです。
結局この塔の完成直前に亡くなり、後継者もこの塔の異様さに気味悪がって入ったとか入らなかったとか…。
う〜ん、確かにちょっと、いや、かなり異様な建物です。
奇抜で斬新な物を作ろう!
って狙いすぎると、“こける”典型に私は思えました。
それにしても、やっぱ京都。
建物も立派なら、何と言っても庭が凄い。
こちら↑、国宝の青不動で有名な青蓮院の青不動さん近くのお庭。
こちら↑、「虎の子渡し」と呼ばれ、小堀遠州作と伝えられる南禅寺方丈庭園の反対側の方の庭。
そして、祇園周辺を歩いていると、お店はもちろん、一般家庭にも、名園の枯山水に負けず劣らず、庭先のちょっとしたスペースのさりげない庭・庭・庭…。
工事中の庭もあったりして、むしろこっちの方が刺激的でした。
そういえば、建物は一つだけと書きましたが、やっぱりもう一つ。
こちら、南禅寺境内の水道閣。
明治に完成した琵琶湖の水を京都に運ぶ水路。
お寺に西洋建築?と異様に感じる方もいらっしゃるようですが、
私は素直に美しかったです。
話がそれますが、高校時代の古典の先生に勧められ、「和辻哲郎著 古寺巡礼」を読んでいますが(偉そうに書いても実は難しすぎてなかなか進まないんですが…)、古建築・古美術を通して鋭く東西文化と美の世界が書かれているこの本の中で(唐招提寺の項)、
「…松林とこの建築との間には確かにピッタリと合うものがあるようである。
西洋建築には、たとえばどの様式を持って来ても、かほどまで松の情趣に似つかわしい
ものはあるとは思えない。
パルテノンを松林の間に置くことは不可能である。
ゴシックの寺院があの優しい松の枝に似合わないことも同様であろう。
…われわれの仏寺にも、わが国土の風物と離しがたいものがある。
もしゴシック建築に北国の森林のあとがあるとすれば、我々の仏寺にも松や檜の
森林のあとがあると言えないだろうか。
あの屋根には松や檜の垂れ下がった枝の感じはないか。
堂全体には枝の繁った松や檜の老樹を思わせるものはないか。
東洋の木造建築がそういう根源を持っていることは、文化の相違を風土の相違まで還元
する上にも興味の多い事である。」
とありました。
う〜ん、ナルホドそういう見方もあるものかと思いました。
ただ、このローマの様式のアーチ疎水。
もし、変に和洋折衷の様式にしていたら、と想像すると、ここまで南禅寺の境内に自然に溶け込まなかったのではと思うのは私の偏見でしょうか。
住宅でも、何とか“風”が良くないのかと。
南欧風とか、アメリカ風とか、広東風(笑)とかじゃなくて、とことんその様式にこだわってみたら、それはそれで凄く素敵な建物だと思います。
ちなみに、この写真の橋の下では、モデルさん(傘さしてる人)の撮影をしてました。
丸山と、
私「あれ、AKBだろ…」
丸「 …違いますよ。」
私「AKBのメンバー、一人も言えないと時代遅れなんだって。」
丸「社長誰か知ってます?」
私「お前知らないの?」
丸「知りません。」
私「俺はもちろん知らん。」
丸「な〜んだ…」
と、くだらない話をしながら帰るのでした。
山口社長〜、ありがとうございました〜、今度はこっちで勉強会しましょうね〜!
監督の松長さんも一緒に楽しもぅね〜!
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