- 2010.10.27 水曜日
- 善し悪しは別にして、長期優良住宅という、いわば次世代新築基準法と言っても過言ではない法律が新設され、長期優良住宅先導事業や冨嶽町家など、マクスとしても新しい事に積極的に取り組んで参りました。
必然的に広告やこのブログも、新築偏重となってしまい、
「マクスさんはリフォームやめちゃったの?」
と現場監督は、何人かの昔からのお客様にご質問を受けたそうです。
いえいえ、とんでもございません。
やはり、地元密着型工務店と致しましては、小さな工事も丸投げなどせず、責任を持って工事させていただくのが、
責任であり、
存在理由であり、
誇りでもございます。
自社・他社問わず、リフォームの経験を重ねることで、
「こうすると長持ちするのか」
「こんな事すると家って持たないよね」
そんなノウハウを積み重ね、新築にもフィードバックさせることが出来るのは、私たちの強みでもあると思っています。
というわけで、富士市で工事させていただきましたリフォーム工事を、何回かに分けて、そのポイントと共に、ご紹介させていただきます。
今回のリフォームは、富士市で中古住宅を購入し、引っ越し前に内外装をリフォームする、というものでした。
日本の中古住宅は、現況売買が原則。
つまり、
「これが今回売る物件そのものですよ、よく見といて下さいね、買ってから文句言っても知りませんよ」
という、買い手に冷たいルール。
第三者機関のチェックや、品質保証書みたいなものは、今後作っていこうという流れではありますが、まだ全く機能していないのが実情です。
であれば、中古住宅は、購入前に自分でチェックしましょう!
チェックポイントその1
【基礎まわり】
まずは、基礎の周りをぐるっと回ってみる。
花壇や草ぼうぼうで見えないところがあったら要注意。
そんなところは特に念入りに。
白蟻が登った跡(蟻道)が無いかを確認!
築22年でも、平成生まれの家なんですよね。
その意味では、今流通している中古住宅は、ベタ基礎がかなり増えてきているはず。
ベタ基礎の場合、外周部に蟻道がなければ、内部はかなり安心できます(まだチェックは続きますが)。
次に基礎そのもの。
コンクリートは硬化の際に収縮します。
一般に「ヘアークラック」という、細いヒビまで含め、ヒビは全て問題視せよ!
と言う事はありません。
上の写真を拡大。
ヘアークラックは、幅何ミリ以上のヒビ、という明確な定義はありません。
この家の場合、クラックがあるのは犬走りという部分。
ここは基礎とは別に後から打った部分ですから、このクラックは問題無し。
ただし、
後から打ったはずの犬走りと同じ位置に、基礎の方にもクラックが入っていたり、
家の“反対側の同じような位置”に大きなクラックがある場合、地盤の不動沈下によってクラックが起きている可能性があるので、
この反対側をチェック、というのは一つの目安になろうと思います。
あと、この家ではありませんが、写真のような基礎の通風口がある場合、通風口の角にヘアークラックがあるのは結構普通です。
ヒビが大きい、さらにずれている、こんな場合は要注意ですね。
チェックポイントその2
【床下】
では、室内をチェックして行きましょう。
ほら、やっぱりベタ基礎。
床下収納庫や畳の下など、床下をのぞける部分は必ずあるはずです。
白く見えるのが断熱材。
あんまり難しく考えず、ちゃんと入っているか、見るからにいい加減とか、そもそも入ってないとか、素人目に分かる範囲で、この家に住んだら寒くてたまらんぞとか、イメージできるはずです。
写真では、ややずれは見られるものの、築年数から見て十分でしょう。
雪国の断熱に厳しい工務店の社長が見たら、鬼のような突っ込みを入れられそうですが、ここは静岡で暖かいし、OKです!
あとは、部材の名前書きましたが、一般の方は樹種まで見分けるのは難しいと思います。
やはり、釘がきちんと打ってあるか、見るからにいい加減か…。
同じ大工が作っているんだから、一事が万事です。
余談ですが、
写真の火打ち土台という部材。
確かに法的に入れることになっていますが、コンクリートの基礎のアンカーボルトを増やして、土台との緊結性を高めた方が、地震には遙かに有効だというのは、素人考えでも分かる部分です。
でも、欠陥住宅を扱うバラエティー番組や、そういった番組に引っ張りだこの、なんちゃって先生の著書を見ると、
「火打ち土台がないから欠陥住宅ですね!」
みたいな変なコメントをよく見るので、必然性を感じないながらも私たちも一応入れてますが、もはや風化した大工の迷信の領域にかなり近いと思います。
では、その大工工事。
床下をちゃんとやってある大工さん、肝心な構造はどうかをチェックして行きましょう!
おっと、長くなったので明日に続きます。
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