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漆喰の正体 後編

はぃ、漆喰・三部作の最終回です。
ちょっとくどかったですが、【漆喰の正体・前編中編】をお読みでない方は、是非そちらを読んでからご覧いただければ幸いです。


マクスでは現在、漆喰は伝統あるメーカーの、オーストリアのデュリンガー社のものを使っています。

輸入元である、江間忠合板の営業マンが、オーストリアに遊びに行った際に(失礼、真面目に勉強に出張の際)、現地で色々写真を撮ってきてくれたのでご紹介しましょう。

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まずはこちら。
25年間ノーメンテナンスの南側の壁面だそうです。
新建材で25年間ノーメンテ…あり得ないですねぇ。

s-100806 (2).jpg

↑こちらも漆喰を塗った建物。
↓で、こちらは漆喰ではない、左官仕上げの建物。

s-100806 (1).jpg

サッシの下の雨だれが目立ちます。

もひとつおまけに、こちらは…

s-100806 (5).jpg

やはり漆喰ではない左官仕上げの建物ですが、ずいぶんと汚れていますね。


これには、ちゃんと理屈があります。

マクスで使っている漆喰は、100%の漆喰。
そう、昨日のブログで行くと、100%水酸化カルシウムです。
(表情を出すために、細かい砂は入っていますが、これはあくまでも素材感を出すためのツブツブで、藁を入れるのと同じです)

つまり、完全に無機質です。

通常の左官材には、合成樹脂などの有機物が含まれますが、これはいわばビニールなので、静電気を帯びます。
  ↓
そうすると、埃などの汚れを自分で吸い付けます。
  ↓
くっついた有機分を元に、苔が生えます。
  ↓
苔を食べる小さな虫が来ます。
  ↓
それを食べる蜘蛛が巣を張ります。

だから、100%の漆喰だけが汚れていなかったんですね。

s-100806 (3).jpg

ちなみにこちらは、フレスコ画の日時計。

フレスコ画とは、Wikipediaによると、
『フレスコは、まず壁に漆喰を塗り、その漆喰がまだ「フレスコ(新鮮)」である状態で、つまり生乾きの間に水または石灰水で溶いた顔料で描く。やり直しが効かないため、高度な計画と技術力を必要とする。』
とあります。

フレスコ画も漆喰の100%無機の石灰と顔料を使用します。
つまり、フレスコ画などの美術品は「簡単に補修できない・しない」ということです。
色はもちろん薄くなっていますが、この状態が残せるということが本物の良さなのです。


なので、室内はもちろん、

s-100806 (7).jpg

室外にも、

s-100806 (6).jpg

この100%の漆喰を使っているわけです。
要は長持ちするから。
ただ単に、偏狭的に自然素材信者、と言うわけではないのです。
これらを踏まえた上で、やっぱりビニールクロスが良い、と言う方に、そんなの偽物だ!何て言うのは横暴以外の何ものでもありません。

ついでですが、漆喰にしても、珪藻土にしても、なぜみんな合成樹脂が入っているのか…?

s-100806 (8).jpg

これは、マクスの打合せ室です。
100%の漆喰を塗っていますが、超ドアップしてみると、

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この様に、ボードのジョイントにヘアークラックが出てしまっています。

「クレームだぁ!ただでやり直せぇ!」
って言われたら、誰だって嫌ですよね。

このヘアークラックの防ぎにくさは、100%の漆喰の弱点とも言えます。
だから、合成樹脂入りの、ひび割れしない物が多いわけです。
安いし。

ですが、施工中は換気しないと臭いし、施工後も、ライターであぶるとゴムの焼ける刺激臭がします。

この事実を説明した上で、
「どっちが良いですか?」
と選んでもらうのがプロの仕事でしょう。


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