- 2010.07.12 月曜日
- 先週は、お勉強をしに飛騨高山まで行って参りました。
今回の先生は、ゴーヤ先生こと、ハウジングアイズの岡田社長。
住宅建築に関する知識やセンス、そして何より現場管理術は脱帽もので、何とかそのノウハウを盗んでやろう(笑)、というのが今回の出張の目的でした。
現場もいくつか案内していただいた上、余すところ無く解説していただき、さらに観光ガイドしてもらって、かつ高山郷土料理三昧と、おなかいっぱいの出張でございました。
とにかく、建築はもちろん、郷土愛も、熱い熱いお人でした。
ゴーヤ先生、有り難うございました。
感謝 <(_ _)> 感謝
さて、そんなわけで、帰りに色々寄ってきましたので、(私個人的に)恒例の、ミニ建物探訪です。
ビジネスホテルは高山市。
高山と言えば小京都と呼ばれる風情有る町。
古い町並み、いわゆる町家が軒を連ね、何とも言えない雰囲気です。
ミシュランの観光ガイドで三つ星をゲットしただけのことはあり、外国人観光客の姿もよく見かけました。
町を歩くと、ギャラリーや特産の家具屋さんや、それからこんな骨董屋さんが普通にあり、
こんなの売ってるんです。
そう、古い建具。
リフォームや建て替えの際にも、何でもかんでも新しくするんじゃなくて、古くても良い物は積極的に使って、風情を大切に守ろう、って気持ちが伝わってきますよね。
今では職人の手間が上がってしまって、とてもそこまで手を掛けられませんね〜、と言うような建具が、いや〜ん、て位安く売ってます。
よだれ物です(笑)。
高山の歴史や風情は、私がヘタな文を書かなくても、ネットで簡単に検索できますので、ここはいつもの様に建築的なことを少々。
最初にご紹介した町並みの写真を見ていただくと、軒先に白い物が点々と見えます。
これは、この地方に特徴的な雲肘木(くもひじき)。
肘木自体は神社で普通に見かける部材ですが、雲形に細工を施しそれを白く塗ってあるのが特徴的です。
建物と町家特有の格子は墨で黒く塗られているので、雲肘木の白とのコントラストが実に美しいのです。
アップしてみると、
暗くて良く分からないからちょっと画像処理してみましょう。
黄色矢印が雲肘木。
本来の桁よりも、一本余計に外側に桁を設けるため(緑にした部分の桁)の部材ですね。
静岡では想像できませんが、湿った思い雪が屋根にずっしりと乗り、重みで軒がやられないように生まれた意匠なんでしょうね。
この様な本物の美しい町家を見ると、現代町家を名乗ることがいかに恐ろしい挑戦であるかを思い知らされます。
写真でお分かりの通り、むかしの町家を町家ならしめていたのは、道に接し、隣家に接して、隙間なくびっしりと建つ、接道性と接隣性といわれます。
建物通しが完全にくっついています。
屋根・軒・格子を連ね、それが調和を生み、独特の美しい、景観を醸し出していますが、現代の法律では、それは出来ません。
法規によって敷地に空地が生じてしまうのが、今の家です。
私たち町の工務店ネットが取り組む現代町家は、この空地を部屋の一つに取り込む設計とも言えます。
空地に木や草花を植え、そこを部屋の一部として内部化しながら、道路側にも開いて、家の前を通る人にもよき印象を与える、そんなあり方が現代町家なのです。
この度、長期優良住宅先導事業に無事三年連続採択決定しました。
私たちの現代町家を建てる場合、国から200万円の補助金が貰えます。
補助金のあり方も問われた昨日の選挙でしたが、
結果はともかく、補助金の重みもしっかりと感じつつ、一軒一軒真面目に工事をして行かなければなりません。
本物の町家を作った昔の匠の“想い”には、負けないように頑張らないといけません。
リレーフォーライフ チームメンバー&募金募集中です
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