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手漉き和紙と冨嶽町家

ただいま富士市と沼津市で建築中のマクスの冨嶽町家
本日は現場風景ではなく、番外編です。

冨嶽町家は、マクスが加盟する町の工務店ネットと、建築家の趙海光先生が進める、美しい現代町家を作ろう!
と言う運動で有ることは何回かご紹介させていただきました。

現代町家と言っても、懐古主義で昔の家を建てよう、ではないことも書かせていただきました。

むしろ、各地の工務店が、その土地土地の家・風景・景観を形成してきた町家因子を研究し、それを、その地の現代町家として展開しよう、というものです。
ですから、府内町家・博多町家・長州町家・安岐町家・讃岐町家・伊勢町家・尾張町家などなど、全国のメンバー工務店が各地の地名を冠して、現代町家に取り組んでいるのが、マクスの現代町家のページをご覧いただくと、お分かりいただけます。

では、美しい富士山の麓、その美しい富士のように美しい家を、と言う願いを込めて名付けた冨嶽町家。
富士山麓周辺の町家因子って…?

これ、かなりの難題です。
何事にもボーダーレスなこの時代、家も、その土地独自、というのは古民家にわずかに残るだけで、前述のように、懐古主義でそれを復活しよう、ではないからです。


でも、その気になって探すと、ちゃんと見つかるものです。
本日はそんな一つ、『手漉き和紙』をフィーチャーしてみようと思います。


そもそも、ここ「富士市」と聞いて、富士市以外の方、特に遠方にお住まいの方は、富士山以外に何を思い浮かべるでしょうか?

・駿河湾
・田子の浦
・生シラス

いや、それよりも、社会を真面目に聞いていた人は、「製紙の町」富士市の方がピンと来るでしょう。
そう、富士市は製紙の町なのです。

でも、何故富士市は製紙会社がそんなに多いのか?
それにはちゃんと訳があるんです。

製紙の原料はパルプですが、生産には大量の水が必要です。
つまり、富士山の豊富な地下水が可能にした産業、というわけですが、紙の歴史はもっと遡ります。
紙の歴史は、江戸時代に生産された駿河(するが)半紙と呼ばれる手漉(す)き和紙から始まりました。
この地域に紙漉きが広がったのは、富士山からわき出る豊富な水と紙の原料である三椏(みつまた)が自生していたからと言われています。

和紙の原料は、コウゾ(楮)、ミツマタ(三椏)、ガンピ(雁皮)に代表されますが、一般的にコウゾを原料とする和紙が多い中、富士地区にはミツマタが多く自生しており、このミツマタと豊富な富士山の地下水を原料とする和紙つくりが盛んになり、現在まで紙づくりの歴史が続いているのだそうです。

そこで、富士宮市で手漉き和紙の工房をされている柚野手漉和紙工房の内藤さんを訪ねました。


内藤さんは、もう三十年以上和紙造りに取り組んでおられ、天皇陛下にも和紙を買っていただくほどの方。
同時に、「駿河半紙技術研究会」を設立し、手漉和紙の技術伝承にも力を入れるという熱いハートの職人さんでした。

現場監督の宮川と、家内と、協力業者の木工屋と一緒に工房にお邪魔し、色々お話をお聞きし、作品も見せていただきました。

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「こうして皮をむいたものから和紙が出来るんです」
と熱心に説明をしてくれる内藤さん。

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顔料で染色している和紙や、コウゾやミツマタの繊維をちりばめた手漉き和紙は、とても美しく、何とも言えない素材感。

聞くと、ホームセンターで売っている様な和紙は、繊維の短いパルプから機械で作られており、梅雨時期になると湿気を吸いきれずにすぐにヘタ〜となってしまうのに対し、
繊維の長いコウゾやミツマタから丁寧に作られた和紙は、しゃきっとしていられるのだそうです。

そして何より、圧倒的に長持ちなんだそうです。


凄く共感したのは、ただ手作りだから、と言うのではなく、材料・工法にもの凄くこだわりとプライドを持って仕事をしていること。

例えばこのねば〜っとした液体。

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アオイ科のトロロアオイと言う植物の根っこから取れるネバネバで、これが『ねり』と呼ばれるもので、これを使うか使わないかが、昔から和紙と外国の手漉き紙との違いなんだそうです。
バクテリアに弱く、温度管理も大変なため、こういったものも、近年は合成成分に変わってくるそうなんですが、とにかく自然素材にとことんこだわる、
そして、和紙の乾燥も天日乾燥にこだわる、

う〜ん、似たような話だ。
 〜自然素材100%の漆喰 ・ 内部割れを防ぐために高温乾燥をしない紀州材…(笑)。

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これが、煮てアク抜きされて繊維がほぐされた材料。
(これは確かコウゾだったと思ったけど…)

で、こっちは、

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冒頭のミツマタ。
何故ミツマタ?

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この様に、枝が三つ→三つ→三つと枝分かれして行くからミツマタ。
春には黄色いきれいな花が咲きます。


誇りを持って自分の仕事に取り組む内藤さんの姿、素敵でした。
もちろん、内藤さんの手漉き和紙も、とっても素敵。

昨日の話のようですが、ただ安い材料なら掃いて捨てるほど有ります。
でも、こういった材料を使ってこそ、その家に深い味わいが出てくるのだとも思うのです。

冨嶽町家ではこういった素材も使って行きます。


【冨嶽町家 構造見学会】22年6月19(土)・20(日) 富士市厚原

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