- 2009.11.13 金曜日
- 昨日のブログで、磯崎新氏の建築模型を見てきたお話しを書きましたが、沢山ある模型の中で、実際に建った物もあれば、いわゆるコンペ案で、計画のみに終わった模型も沢山あるわけです。
中には、
「本当にこれを建てることが出来るのだろうか?」
というような模型も多く、その意味でやはり建築家というより芸術家と思ってしまうのですが、思い出したのが安藤忠雄氏の「連戦連敗」という本です。
東大の講義の内容を記した本なので、私には難解すぎるのですが、自筆のサイン入りのこの本は私の宝物でもあります。
この本は何故こんなタイトルなのかと言いますと…
著書の中で、
「…その闘いは、現在もなお続いている。
何しろコンペはほとんど連戦連敗といってもいい程の惨憺たる状況なのである。
仕事になるか、計画案のまま終わるか、全く賭けのようなところがあるからだ。
内容的に充分自信のある物が出来た場合でも、大抵は…、非現実的である
という理由で落とされてしまう。
しかしコンペで勝てなくてもアイデアは残る。
自分なりの建築を日々模索していくのが建築家だろう。
だから連戦連敗でも懲りずに、幾度もコンペに挑戦し続ける。
…自分の身体を通して考え、試してきたことの積み重ねでしか得られない
情報があること。
そのことは肝に銘じてほしいと思います。」
とありました。
ほれてまうやろ〜っ!
by Wエンジン
と冗談はさておき、磯崎氏にしても安藤氏にしてもこれだけの世界的な建築家でさえ、ボツになる計画も多いわけです。
何が書きたいか分かっていただけましたね(笑)。
そう、まして私のようなものが、連戦連勝を願うのはおこがましい、というわけです。
と、何だか勇気付けられまして、最近の「敗戦」の記録を…。
狭い敷地をどうしたら有効に使えるか…。
特殊な敷地の与条件から家族を守る家を…。
と、そんなふうに考えたケース。
逆に広い敷地に対して、建物をどの様に配置し…。
ビオトープなんかも考えて…。
と、そんなふうに考えたケース。
どちらも良い家になるな、等と考えながら計画したんですけど。
残念無念。
しか〜し、そう、「懲りてはいけない、挑戦し続ける」のです。
ちゃ〜んと、私の価値観に同調していただき、ご採用いただく事もあるからやめられません。
何しろ、普通の人は一度しか経験できない家造りを年に何度も経験出来るんですから。
楽しいに決まってます。
こちらは、そんな、今計画中のお宅。
先日書かせていただいた、趙先生の現代町家のマクスバージョン。
着工までに、もっともっとディテールを詰めて、格好良くして行きます。
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Comments
“明日があるさ 明日がある 若い僕にゃ夢があ〜る♪”
です。
師匠に負けないようにガッツでいきまっす。
経験こそが血となり肉となるのでしょう。
でも、連戦はさすがにへこみますね。
”上をむういてああるこおおーー♪”
明るく歩いて行きましょう。
町のネットの件届きました。
ありがとうございました。