- 2009.10.29 木曜日
- 本日は、「長期優良住宅を考える」シリーズの番外編です。
一昨日は、横浜まで講習会に行って参りました。
その講習とは、『CASBEEすまい(戸建)』 というものです。
キャスビーと読むのですが、
「何じゃそれ?」
と思われるでしょう。
長期優良住宅を含め、
「この家は良い家だ!」
「いやいや、うちの家つくりこそ素晴らしいんだ!」
「そんなことはないっ、我が社の工法こそ本物だぞ!」
「何を言う!そっちのは偽物だ!こっちのこそ本物の本物だ!」
…
…
…
お見苦しいこの業界です。
消費者としては、
「本当は何をもって『良い家』なんだ? 誰か教えて〜」
となります。
そこで登場するのがこのキャスビーです。
キャスビーとは、
Comprehensive Assessment System for Building Environmental Efficiency
の略。
つまり、
建築(Building)の環境の(Environmental)効率(Efficiency)を見る、包括的(Comprehensive)な評価手法(Assessment System)、
ということで、建築物総合環境評価システム、と呼ばれています。
キャスビーにも色んなシリーズがあるのですが、戸建て住宅に限ってお話ししますと、建物の純粋な性能だけでなく、その建物の環境性能はどうか?
つまり、その建物はどの程度環境負荷を削減できる環境効率の良い建物なのか、を評価する指標です。
一番の特徴は、国交省の支援のもと、産官学の共同プロジェクトとして開発されたシステムである、という点です。
これは、建築業界にありがちな、自分たちに都合の良いように設立したNPOが勝手に作った【なんちゃって自主基準】ではない事を意味します。
ただし、あくまでも評価手法、つまり一種の「ものさし」なのですから、定規が曲がった物を計れないように、キャスビーで高得点なら必ず良い家で、点数が低いと悪い家、かといえば、必ずしもそうではありません。
あくまで一つの評価手法です。
ですがこの様な評価手法は、イギリスのBREEAM、アメリカのLEED、カナダのGBTool等、日本以外にも様々な物があり、海外の公共建築物では、ほぼ例外なくこの様な評価手法において、最上ランクを取り、環境共生型の建築であることを示すのがもはや当たり前の時代なのだそうです(講師談)。
それはさておき、長期優良住宅の先導モデルでは、このキャスビーを使ってその建物を評価します。
エクセルで自主評価が出来るのですが、折角だからもっと公正に厳密に評価が出来るようにと、このキャスビーの評価員の講習を今回受け、来月試験を受けます。
だいたいこういう試験は、講習さえ受ければ合格率九十数パーセント、というのがほとんどですが、昨日の話では60%後半らしい…。
勉強しなくちゃ。
次から次に勉強しなければならない新しいことが出て来て大変です。
泣き言は別にして、今回マクスで着工する長期優良住宅の先導モデルの家でも、先日このキャスビーの入力を行いました。
結果はこちら。
残念ながら最高ランクのSは取れませんでしたが、それに近いAランク。
天然素材100%の漆喰がビニールクロスと同じ点数しか貰えないことと、敷地をかなり緑化して行かないと、環境面での評価を上げることが出来ないのがSを取れなかった感想です。
先程書きましたように、必ずしも
「最上級のSが最上級に良い家」
ではないのですが、こんな取り組みも、今後注目されて行くことでしょう。
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