- 2009.10.16 金曜日
- 前回、長期優良住宅のメリットについて書きましたので、今回はデメリットについて書いてみます。
「長期」間住める「優良」な「住宅」になるのですから、デメリットなど無さそうですが、世の中そんなに甘くありません。
まず、純粋に建物のグレードを上げるのに費用がかかります。
このシリーズの3回目に長期優良住宅の基準で、
「主に断熱性能と耐震等級の部分でグレードが上がる要因になる」
と書きましたが、
断熱等級に関しては、そもそもその会社が取り組んでいる標準的な断熱のレベルや、その会社の商品の断熱における標準仕様が低ければ、長期優良住宅の断熱レベル(いわゆる次世代基準)にするためのコストがかかります。
耐震等級に関しては、特に木造の場合、かなり無理のあるプランでも、ヘタすると通ってしまうので、長期優良住宅にするならば、壁量計算などの簡単な考察ではなく、しっかりと許容応力度設計などの構造計算をした方が良いと思います。
構造計算までしなくても長期優良住宅は可能ですが、構造計算をした方がより確実・安心ですね。
ただし、木造の構造そのものだけでなく、基礎もやや頑固になりがちなので、基礎でもやはり金額が上がることが多いでしょう。
ここまでが、純粋に建物のグレードアップにかかる費用です。
グレードアップですから、デメリットとは言えないかも知れませんが、費用負担増になることは確かです。
先にも書いたとおり、その会社のもとの仕様によりますが、構造計算も含めて、30〜70万位の負担増になるのではと思います。
(もちろん建物の大きさでも大きく違います)
さらに、膨大な申請書類に費用がかかります。
「長期優良住宅適合申請」と「性能評価(こちらは任意)」
という手続きをして初めて長期優良住宅と認められますので、この書類手続きをしなければなりません。
かなり大変です。
高額なソフトを使えば「一発!」で作ってくれる場合もあり(喉から手が出る程欲しい&羨ましい…)ますし、商品化された住宅では、一棟毎こんな面倒くさい書類を作る必要はないので、会社によってこの書類作成費用は違うでしょうが、相場としては20〜40万円くらいではないでしょうか。
さらに、申請書類の作成や申請された書類を受け付ける審査機関の実際の審査業務の時間などを合わせ、数ヶ月の余計な期間がかかります(全部終わらないと着工してはいけないので)。
以上の負担増(コストアップ)を、享受できる税制優遇メリットのみと比べると、前回にも書きましたが、高額なローンを組んだ高額納税者でないと、確かに
「そんなに目に見えたメリットはない」
と言うことも出来ます。
実際、これを営業トークとして、
「長期優良住宅なんてくだらない、無駄金払っちゃ駄目ですよ」
とネガティブに使う会社も有れば、
「やっぱりこれからは長期優良住宅ですよ!
今時面倒くさがってこんな事にも取り組まないような会社に頼んじゃ駄目ですよ」
と積極的に自社を売り込む会社もあるので、消費者は混乱するばかりです。
では、
「実際ど〜なのよ?」
と聞かれた場合、私はこう考えます。
…あ、長くなったので次回持ち越しです(笑)。
→バナナ&キノコダイエットはどうなった?…
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Comments
サロンパスの力を借りて何とかまわるようになりましたバイ。
腕立てのトレーニングよりも、九州遠征の備えて肝臓のトレーニングに励みますバイ。
長期優良住宅の講義、勉強になりました。
申請書類の山を見るだけでいやになりますね。
ところで首は回るごとなった?
子供を背中に乗せて腕立てを50回。
明日からトレーニングしぇないかんですバイ。