- 2009.06.29 月曜日
- さて、今週も始まりました。
六月最後の週です。
頑張って参りましょう!
さて、先週は、島根の出張を中心に、小さな家を考える時の広さや天井の高さなどを考えてみましたが、鳥取の出張がなかなか盛りだくさんの内容でしたので、ミニ建物探訪も、もう少し続きます。
今度は、家そのものから、街並みについて考えてみます。
住宅というのは個人の資産ですから、法に反しない限り、どんなデザインにしようと自由だと言えばそれまでです。
(ね、マコトちゃん)
これは何回も書かせていただきましたが、自由だからと言って無秩序に家が並べば、それはあまりにも寂しい、チンドン屋さんのような街並みになってしまいます。
以前茨城に住んでいたことがありますが、筑波EXPOと、その後の工業団地の誘致により、田畑の中に点在していた入母屋造りの家々の隣に、アーリーアメリカンだ、南欧風だ、和モダンだと、サイディングメーカーのカタログのように何でもアリの街並みとなってしまい、それらを見ると、
「う〜ん」
と思わずにはいられませんでした。
自由なのだから、勿論悪いことをしているわけではありませんが、最終的に美しくない街並みは、その土地の資産価値も下がるというのもまた事実だと思います。
で、今回出会った美しい街並みをご紹介。
まずは、出雲市平田町の木綿街道。
詳細は、「木綿街道公式ページ」をご覧下さい。
水路に恵まれたこの地域は、古くから商家の荷を運ぶ市場町として利用されてきました。
今も残る「酒蔵」や「しょうゆ蔵」などの商家、旧家の建物が下町情緒を今に伝えており、「なまこ壁」や「格子窓」の連なる二階建妻入り造りの町家は、とても美しい街並みです。
↑こんな「さり気なさ」が良いじゃないですか。
宍道湖や大小の川で結ばれて、船中心に栄えたこの地には、やはり私たちのまわりでは見ることが出来ないものも多く、
これは、建物の真ん中を川から荷揚げ用のトンネルが貫通している所。
そして、このお様に細い路地を荷を運んだんでしょうね。
途中、古い立派な民家を見学させて頂きましたが、
手ぶれしていますが箱階段(階段箪笥)です。
手前は一枚板。
立派ですね〜。
こちらは旧家を復元した木綿街道交流館。
壁は、関西以西では一般的な「焼き杉」仕上げでした。
木材は、表面が炭化すると、燃えないし腐らないので、とても耐久性があるのです。
(本来は板を筒状に組んで燃やしますが、近年はバーナー仕上げが多く、
炭化層が薄くて耐久性がイマイチのようです。)
もう一ヶ所ご紹介。
こちらは同じく鳥取県の倉吉市。
伊能忠敬も測量で歩いたという街並みが今に残り、とても風情があります。
このあたりの家の屋根は、どの家も赤瓦と呼ばれる石州瓦。
三州瓦、淡路瓦と並ぶ日本三大瓦の一つです。
出雲地方で産出される含鉄土石「来待石」を釉薬に使用することで生まれる独特の赤い色の瓦。
一棟だけならタダの赤い屋根ですが、この赤い屋根の連続は、やはり美しいものです。
こちらは、白壁土蔵群と呼ばれている辺りです。
赤い石州瓦・白い漆喰壁・黒い焼き杉、そして美しい小川。
このコントラストはとっても美しいの一言。
写真は北側にある玉川に面している方で、どの家(蔵)も橋と木戸を設けています。
この木戸で冬は北風を防ぎ、夏は川原の涼しい風を呼び込むという生活の知恵が、この土地の建物の設計ルールとなっています。
こうして美しい街並みを見ると、古くから有る家々だから美しいのではなく、その土地古来の素材や、その土地の自然なルールに則った家々が立ち並ぶから美しい、というのが分かります。
家造りに、建て主の個性も、確かに必要です。
でも、個性だ、個性だと言って奇抜なファッションをしているつもりが、どの子もズボンをズリ下げてオケツと汚いパンツを見せながら歩く若者のように、流行りだからと言って変な家を建ててはいけない!
と、この様な美しい街並みを見るといつも思います。
余談ですが…
格子が美しいこの家は、倉吉のお醤油屋さん。
「醤油アイス」
なるものが売っていました。
何でもブログネタにとチャレンジする私も、流石に勇気がありませんでした。
↑自然素材を扱う工務店のブログが集まってます【日本ブログ村】 - ミニ建物探訪 | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
私は基本何でも醤油。
天ぷら、コロッケ、シチューにグラタン…。
でも、アイスだけはねぇ〜、って感じです。
なんでしたら、今度自分が、「醤油アイス」を試作してみますので、是非味見をお願いします。