- 2009.04.27 月曜日
- 京都で見てきた建物シリーズ第二弾です。
本日は上棟作業のため、一日外なので、早朝投稿です。
本日は東福寺のお話し。
と言っても、およそ宗教と縁遠い私は仏教についても無知ですので、建物のみのお話しです。
国宝の三門です。
三門とは寺院の正面に配置される門のこと。三門は空門・無相門・無願門の三境地を経て仏国土に至る門、三解脱門を表すとされる(ウィキペディアより)。
解説はよく分かりませんが、建物は立派です。
でも、元々仏教の山門に戸が無いのは広く一般大衆に門戸を開いているからと習ったような記憶が…。
フェンスで入れないのは残念です。
悪戯書きをするお馬鹿さんが居るから仕方ないのでしょうが。
もっと近くで見たかったです。
こちらは本堂。
昭和に入ってから再建されたそうで、昭和の木造建築としては最大なものの、文化財指定はされていないらしい…(多分)。
中を覗くと、おぉ!
天井の巨大な竜の絵は凄い迫力!
さて、東福寺と言えば、紅葉で有名です。
渓谷に架けられた橋廊から撮った写真です。
新緑がとっても素敵です。
真っ赤に色付く時も息をのむ美しさでしょう。
写真の奧に見えるのは方丈(ほうじょう)の北側。
ちなみに、我々の世界では、寸法は未だに尺寸里がcmより幅をきかせています。
材木の長さも、多くは6尺、10尺、12尺が基本です。
でも、12尺(二間)の部分に使う材料は、加工シロを入れて、少し長くないといけないので、材木は13尺が基本です。
13尺の材料を丈三(じょうさん)と呼びます。
そう、1丈=10尺=3.03m。
何が言いたいかと言いますと、方丈とは本来1丈四方(約3×3平米)です。
鴨長明の『方丈記』は、方丈の庵で書かれたことによるそうです。
仏教では方丈=宇宙、転じて寺院の住職が生活する建物を方丈と呼ぶようになったそうです。
で脱線しましたが、その方丈の北側、先程のスカイテラスのような場所に廻ると…、
絶景っす!!
超〜気持ち〜ぃ!
…失礼しました。
で、ようやく本日の主題。
東福寺は、先程紅葉の名所と書きましたが、それはつまり、庭で有名ということです。
そしてこの方丈は、建物の東西南北全てに庭があり、釈迦の生涯の八つの重要な出来事を意味する「八相」から、「方丈八相庭園」と呼ばれているそうです。
こちら↑は枯山水の南庭。
こちら↑は東。
そして、ようやく本日のメインに辿り着きました。
上の二枚は、アングルを変えて北庭を撮りました。
別に日本庭園の講釈を言いたいのではなく、方位と庭についてなんですが、通常、住宅の庭は南に取ります。
居室になるべく採光を採り入れるため、建物を北に寄せて、南側隣地の建物の日陰にならないようにするためです。
ま、常識です。
ですが、この方丈の庭を見比べると、北側の庭が、新緑の一枚一枚に至るまで、一番活き活きと見えます。
南に面した庭は、光が直接目に入る逆光なのに対して、北側は順光だからですね。
先日、北側の木のフェンスの木香薔薇について書きましたが、敷地に余裕があったら、北側にちょっとした坪庭を設けるのも、採光に贅沢なスペースが作れたりする…。
そんなことを感じさせてくれる庭でした。
この事に関して、住まいネット新聞『びお』で、「北窓開く」というコラムに詳しく書かれています。
是非ご一読下さい。 - ミニ建物探訪 | comments (2) | trackbacks (0)
Comments
近所の店先に、紅葉の時期と雪景色の写真が飾ってありました。
それはそれはキレイでした。
また行きたいけど、向こうの人に言わせれば、富士山が毎日見えるのは羨ましいのかも知れませんね…?
紅葉がキレイということは
今の時季は新緑がまぶしいということですよね〜。
春の京都もいいっすね〜