- 2007.12.20 木曜日
- 只今静岡県富士市で建築中の「板倉造りの家」は、オール電化です。
最近はCMでもオール電化を大々的に宣伝していますが、静岡は暖かい土地柄、暖房は室内に置く灯油のファンヒーターとこたつ、と言うご家庭が多いですね。
私は、北海道に7年住んでおりましたが、ほとんどのお宅は灯油のストーブでした。
ただし、やはり寒いので付けている時間が長い(24時間の場合も)のと、小さなファンヒーターではとても寒くて居られないので、大型のストーブで、煙突が付いているものでした。
秋口になると、ホームセンターには煙突(といっても薪ストーブに使うような二重煙突ではなく、シルバーのブリキのシングル煙突)が陳列されます。
長さがいろいろあり、エルボ(コーナー部分)も売っていて、それを自分でつなげて行きます。
はじめて自分でつなげる時、エルボの曲がり加減(コーナー角度)の調整の仕方が分からず、地元の人に笑われました。
(両方から一升瓶を差し込み、その瓶を持って角度を付けるのが正解)
話が逸れました(笑)。
さて、先日のニュースで、東北で電力需要のピークが急に起こり、電力不足であわや停電?何て報道されていました。
灯油の急騰で、エアコンを使う人が増えたからだとコメントされていました。
では、ここで素朴な疑問。
「灯油のストーブと電気のエアコン」どっちがお得?
実はちゃんと計算出来ます。
電気は、1kwhで、860kcal。
灯油は、1Lで、8,900kcal。
1,000kcalの熱を作り出す場合、
電気は、1.16kwh
灯油は、0.112L
必要という計算になります。
電気は今、24円/kwh、灯油は98円/L 位ですね。
そうすると、上の1,000kcalの熱を作り出す場合に必要な金額は、
電気では、24円×1.16kwh=約28円
灯油は、98円×0.112L=約11円
と言う計算になります。
倍以上電気の方が高いですね。
しかし、話はここで終わりません。
そもそもエアコンというのは、ヒートポンプと言いまして、簡単に言えば、電気を直接熱にするのではなく、電気でポンプを動かし、熱を汲み出すんです。
つまり、クーラーを使うと、室外機からは暑い空気が、暖房運転だと室外機からは冷たい風が出ます。
熱を汲み出しているのが分かりますね。
ちなみに、エコキュートもヒートポンプですので、室外機からは冷たい風が出てきます。
「空気でお湯を沸かすから…」とCMは言っていますが、別に空気で沸かしている訳じゃぁないんですょ(笑)
↑
詳しく書くと、エアコンのヒートポンプのはフロンガス(今は代替えフロン)ですが、エコキュートは二酸化炭素なんです。だから空気で…と言ってるのですね。
で、エアコンの場合、ヒートポンプなので、ポンプを動かすエネルギーによって熱を汲み出すのが、直接電気を熱に替えるよりも遙かに効率が良く、最近の機種は、電気「1」のエネルギーに対して、熱「5」位を作る事が出来ます。
これを、COP(成績係数)と言いまして、エアコンのカタログには載っています。
先程の
電気では、24円×1.16kwh=約28円
灯油は、98円×0.112L=約11円
に戻りますが、エアコンの場合、COPが5なら、かかる電気代は1/5。
つまり、上の比較では、
電気:28/5=5.6円
灯油:11円
と言う事になり、これだけ灯油が高くなり、反対にエアコンの性能が上がってくると、エアコンの方が安いんですね。
(もっとも、エアコンの風は、ファンヒーターに比べて温度が低いので、何となく肌寒く感じる事も事実です。)
ご参考になれば幸いです。
- 板倉造りの住宅 建築現場より | comments (0) | trackbacks (0)
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