- 2012.09.11 火曜日
- 先週の続きで九州出張の時のミニ建物探訪、いってみましょう。
本日はこちら、小倉城。
関ヶ原合戦の功労で入国した細川忠興(ほそかわただおき:ガラシャの旦那さんですね)によって、1602年から七年がかりで築城されたそうです。
1837年に天守は火事で焼失、1959年に再建されましたが、鉄筋コンクリートでの再建でした。
天守閣は、四階と五階の間に屋根が無く、五階が四階よりも大きくなっているのが特徴的です。
黒い部分ですね。
建築で言う、いわゆるオーバーハング。
なかなか素敵なデザインです。
ただ、再建されたこの天守、姫路城をモデルに再建されたそうで、本当は破風(はふ)が無かったそうです。
破風は写真の赤矢印。
この破風が無いデザインと、上記のオーバーハングも含め、「唐造り(からづくり)の天守」と呼ばれていたそうです。
たしかに、姫路城は白鷺城ってくらい美しく、それを模したこの天守も美しいプロポーションですが、個人的には何故再建するときに当時のプロポーションを崩してしまったんだろう?
というか、そもそも何故木造でない…?(それは言ってはいけないか)
歴史建造物はやっぱり木造、というわけで、
小倉城の下には、八坂神社があります。
京都の祇園さんの支店?ですね。
本店に負けず劣らず、趣があります。
上の写真は右が東楼門(楼門とは二階建ての門のこと)で左が社務所。
こちらは斎館。
神事に携わる前に心身を清めるためにこもる建物です。
屋根の上のドームが何とも興味をそそります。
中に入って見てみたいですが、小心者の私は図々しく声をかけることが出来ませんでした。
この拝殿(左側)から社務所(右側)への渡り廊下も千と千尋の神隠しみたいで良いですよね。
というわけで、建物的にはこちらの方が面白かったのですが、小倉城の方がダメかと言えば、そうではありませんでした。
内部は、もろ鉄筋コンクリートの構造で、構造的なおもしろみはありませんが、潔いまでに「展示施設です」とすっぱり割り切って(いるように感じました)、様々な工夫が凝らされていて、今までのお城の中では一番楽しめました。
最初に城下町も含めた壮大なジオラマがあるのですが、ライトで家々の明かりまで再現されるリアルな城下町の一日、は一見の価値有りです。
中央の天守を見ると、冒頭に書いた破風が無いですね。
うーん、個人的には、やっぱりこのオリジナルを木造で見たかったなぁ…。
こちらは、城にあった物を再現したという虎さんの絵。
左がいらっしゃいませの雄の「迎え虎」、右が帰りにさようならの雌の「送り虎」。
写真だと分かりませんが、高さ5m近くある凄い迫力の絵です。
あと、個人的に一番楽しかったのはこちら。
お殿様専用のおトイレ。
畳敷きですよ、豪華ですね。
蓋を開けると、桧の葉が敷き詰めてあって、ウンウンは尾頭付きの鯛の如く、桧の葉の上に横たわる。
一段下がった後側から、引き出し形式にトイレの下の箱が取り出せる様になっており、家来が毎日、健康チェック。
「殿、本日は色艶も麗しゅう…」
とか、
「殿、本日は一本芯が通ってご立派でございますな…」
とか言うんでしょうか、お殿様も大変ですね。
はぃ、そんなわけで、なかなか楽しい小倉城でした。
次回はもう少し真面目に建築のお話しを…。
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