- 2012.09.04 火曜日
- 昨日は構造見学会でのお礼のみでしたが、本日はその様子を少々。
当日、ご来場の皆さまに、
「えっ?涼しい…!」
と思っていただこう、と、ニヤニヤ想像していたのですが…
…雨(涙)。
このへんが普段の行いの差なんでしょうか。
構造見学会なので、勿論エアコンはないし、扇風機も設置していません。
でも、何となく、いや、確実に涼しい…!?
と体感していただきたかったのです。
(結局一番喜んでいるのは作業が楽な現場の職人衆だったりします)
そう、昨日の文章中の「建築で出来ること」がこれです。
屋根のぶ厚い(24cm)の木質繊維断熱材が、まるで茅葺き屋根のように熱を伝えないのです。
(体感していただけなくて無念…)
(以前訪れた白川郷の民家)
先週、この木質繊維断熱材の実験の様子をアップしましたが、構造見学会でも実演し、皆さんにナイスなリアクションをいただきました。
(説明に夢中で、リアクション写真忘れましたが…)
先週、この実験結果グラフをアップしましたが、同業の方々より、
「グラフが小さくて見えない!」
とのクレームをいただきましたので、はぃ、どうぞ、クリックで拡大できるようにしました。
(クリックで拡大)
温度は、ホームセンターの安物の温度計なので、実験前、室温での二つの温度計は、30.5℃と31.0度で0.5℃の差がありました。
これは温度計自体の誤差です。
差し込んだ直後、木質繊維断熱材は、31.0から29.5℃に1.5℃下がりました。
何故温度が下がる?
実験箱は前日からこの位置に置いてあったのですが、夜の間、下がった温度が、実験開始の11:30にまだ残っており、室温より冷えていたのだと思います。
これは、毎朝私が出社した際に、屋根の断熱改修をした二階の方が「何となく涼しい」、と感じる事につながるのだと思います。
実験は、200Wの強烈な熱を出すランプを15分間の照射後、冷めて行く過程も計りました。
結論としては、
高性能グラスウール(24kg/m3・12cm厚、熱伝導率0.036)と、
木質繊維断熱材(60kg/m3・12cm厚、熱伝導率0.039)では、
熱伝導率が同じ(むしろグラスウールの方が少し良い)でも、熱の伝わり方は全く違う、
と言えると思います。
勿論、これが材料単体ではなく、住宅レベルの話になれば、窓からのダイレクトゲインや換気、内部発熱などによって、これほど劇的な違いとなっては現れないはずです。
実際の建物でこんな実験のように上手く行くか…?
のデータの検証も必要ですね。
実はその意味で、
ボリュームは、今回の建物とほぼ同じ、
建設地もすぐ近く、
という、“超”理想的条件で、もう一棟の「びおハウスM」の工事をさせていただくことが出来ます。
嗚呼、私は何て幸せ者なのでしょう。
そして、
【今回の建物】は、
・屋根だけ木質繊維断熱材
・壁は北海道での高断熱住宅と同等の付加断熱層を設けた高性能グラスウール(計21cm)
対して、
【次の「びおハウス」】では、
・屋根は今回と同じ
・壁を付加断熱無しの木質繊維断熱材12cm。
これで違いが出るか?
コスト的なメリット・デメリットはどうか?
光熱費にどう影響するか?
両宅のお施主様もノリノリで、私の実物建物実験の野望にご協力いただけます。
感謝感激雨霰です。
結果が出るのは、まだかなり先になりそうですが、今後のマクスの取り組みに、是非ご期待下さいませ。
以下蛇足です。
当日、雨だったのですが、その時の感想、の写真。
写真の通り、濡れていたり乾いていたり、つまり、晴れたりやんだりの天気。
降るときは、結構ガサガサ降りました。
でも、見学会会場は、窓を閉めなくても平気でした。
批判するつもりありませんが、まわりの家々。
ちょっとでも雨が降ったら、ふき込んでビチョビチョ。
太陽が出れば、日差しで家の中チンチン。
大変だろうな…、と。
問題。
日本の家には、昔から軒や庇があるのは何故でしょうか?
- 自然室温で暮らせる家 びおハウス > 【富士宮市】 びおハウスM | comments (0) | trackbacks (0)
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