- 2012.04.13 金曜日
- 昨日のブログの続きです。
数字ばかりで恐縮ですが、大事な事なので、住宅とエネルギーの事、本日も真面目に考えてみましょう。
昨日の電気の使用量が、どのくらいのレベルにあるのか?
まずはそこから見てみましょう。
年間の電気使用量は、
三人暮らしのA邸が合計 4,445 kWh
四人暮らしのB邸が合計 4,629 kWh
でした。
さて、これがどのくらいなのかを比べるためには、平均値が必要です。
実は、地域ごとの電気使用量の平均値は、左バナーの一番下、「Forward to 1985」の「自宅の省エネ度を評価してみよう」のページに公開されています。
このページで、静岡を見てみると…
静岡での年間電気使用量の平均は、
三人暮らし世帯で 5,817 kWh
四人暮らし世帯で 5,986 kWh
とあるのが分かります。
先ほどの数字と比べると、
A邸: 4,445 kWh ÷ 5,817 kWh = 約 76%
B邸: 4,629 kWh ÷ 5,986 kWh = 約 77%
どちらも一般的な暮らしより、3/4くらいの電気エネルギーで暮らしている事が分かります。
でも、これは電気だけです。
昨日の設備比較にもある様に、この他にガスや灯油も使っていますので、この分を評価しないといけません。
ガスや灯油など、様々な資源を一律に評価するには、「一次エネルギー」に換算する必要があります。
どういうことか…?
一次エネルギーとは、石油や水力、太陽熱など自然界に存在するものから直接的に得られるエネルギーです。
電気・都市ガス・ガソリンなどは、加工して得られるエネルギーなので、二次エネルギーと言います。
この絵は、先ほどの「Forward to 1985」の主催者野池政宏氏の氏の著書「本当にすごいエコ住宅を作る方法」より拝借しました。
ネコが悩んでいますね。
「1の電気を作るのに2.6の燃料が要る。その差1.6はどこに行った?」
答えがこれ(同じく同書より拝借)。
発電所で電気を作る時のロスですね。
ガスや灯油は、使う場所(家庭)で使う分、この様なロスがほぼ無いので、1=1となっています。
種類の違うエネルギーを一次エネルギーの換算は、下記の式で求められます。
電力 :消費量(kWh)× 9.76 Mj/kWh
都市ガス:消費量(m3)× 41.90 Mj/m3
プロパン:消費量(m3)× 100.47 Mj/m3
灯油 :消費量(L)× 36.70 Mj/L
両家の電気以外燃料の年間の使用量は、
A邸:都市ガス 550 m3
B邸:灯油 666 L
これらを上記の式で、一次エネルギー(単位 Mj:メガジュール)に換算します。
これで、両家の一年間に使う全てのエネルギーの総和が出ました。
先ほどのページで、電気だけでなく、一次エネルギーの都市別の平均も出ていますので、それと比べてみます。
静岡での暮らしで、平均的に使われている年間の一次エネルギー量は、
三人暮らし世帯で 98,472 Mj
四人暮らし世帯で 103,285 Mj
とあります。
では両家はどうか?
A邸: 66,428 Mj ÷ 98,472 Mj = 約 67%
B邸: 69,621 Mj ÷ 103,285 Mj = 約 67%
偶然ですが両家とも67%、つまり、平均的な暮らしに比べ、2/3のエネルギーで生活しているので、かなりエコと言えるのではないでしょうか?
と、ここまでは良いのですが、昨日も冒頭で書きましたが、震災後、もっともっとエコな暮らしをしなければいけないのではないだろうか?と思わざるをえないわけです。
ですから、まだまだ突っ込んで考えてみます。
続きます。
- 自然室温で暮らせる家 びおハウス | comments (0) | trackbacks (0)
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